研究課題/領域番号 |
19K07872
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
小谷 和彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (60335510)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 酸化リポ蛋白 / 酸化脂質 / 炎症 / 高コレステロール血症 / 抗酸化 / 健康診査 / 地域好発疾患 / コモンディジーズ |
研究実績の概要 |
血中における高比重リポ蛋白(high-density lipoprotein:HDL)コレステロール(cholesterol:HDL-C)の濃度とともに、最近、HDLの質的変化である酸化修飾HDLの臨床的意義が注目されている。様々な酸化HDL種が生じ、血中でも測定できると考えられており、これらに対するmultiple assayを実施して、測定すべきHDL種を選定し、ひいては諸疾患に対する脂質・リポ蛋白管理を考案することが、本研究課題の主目的である。まず、測定系の予備的検討として、非喫煙健常対象集団(27人、平均年齢=46歳、男性=37%、平均HDL-C=61 mg/dL)で6種の同時assayを実施した。各測定値間の相関係数は0.01~0.81と幅を認めた。生体内でのHDLの酸化変性と言っても一様ではないことが示唆された。次いで、非アルコール性脂肪肝の男性集団(37人、平均年齢=48歳)とその対照集団(22人、平均年齢=48歳)とで同時assayを実施した。このうちの1つの酸化HDL種において、対照群と比べて脂肪肝群で明らかに高い測定値が見られた(平均35 U対107 U、p<0.01)。他の酸化HDL種やHDL-C値(平均54 mg/dL対58 mg/dL)には有意な差は認められなかった。疾患特異的な酸化HDLが存在することが示唆され、病態との関連性や脂質・リポ蛋白マネージメントの標的を考える上でも興味深い。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度であり、測定系の比較考量と確立、さらに対象集団の選定に時間をやや要している。
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今後の研究の推進方策 |
対象者をさらに募りつつ、結果を見ながら測定系の厳選を含めて検討を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
測定系のセットアップや対象者数の登録の関係で測定料が多少、少なくなったため。その分は次年度に使用する。
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