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2020 年度 実施状況報告書

RAGEを介したグルココルチコイド/炎症による筋萎縮機序の解明と新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K07879
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

庄司 拓仁  兵庫医科大学, 医学部, 講師 (40624044)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードRAGE / 骨格筋 / グルココルチコイド / LPS / 炎症
研究実績の概要

本研究では、終末糖化産物(advanced glycation end-products (AGEs))の受容体(receptor for AGE (RAGE))が、骨格筋の委縮に関与するという仮説を提唱し、RAGEを介した骨格筋委縮に関しin vitro, in vivoモデル系を用いて、その機序を含めてRAGEの意義を解析する。
8週齢のマウスに4週間、Dexamethasone (DEX)負荷ないしはLipopolysaccharide (LPS)負荷を行い腓腹筋筋量/体重比を比較した。興味深いことに、RAGE野生型マウスと比較して、RAGE欠失マウスに対するDEX負荷では腓腹筋筋量/体重比が有意に増加(WT control: 12.0±0.21 (mg/g BW), WT DEX: 11.2±0.13 (mg/g BW), RAGE-KO control: 11.3±0.08 (mg/g BW), RAGE-KO DEX: 11.7±0.22 (mg/g BW))し、LPS負荷では有意に減少(WT control: 11.6±0.15 (mg/g BW), WT LPS: 11.4±0.13 (mg/g BW), RAGE-KO control: 11.8±0.26 (mg/g BW), RAGE-KO LPS: 10.8±0.15 (mg/g BW))した。現在、骨格筋組織のHE染色・免疫染色を進める予定である。
骨格筋の異化プロセス・同化プロセスにかかわる遺伝子発現・タンパク発現を確認することでRAGEを介した骨格筋委縮の機序の推定を行ったところ採取した腓腹筋を用いて骨格筋のタンパク異化・同化にかかわる遺伝子の発現の解析を行ったところ、Klf15(WT control: 1.00±0.11 , WT DEX: 1.14±0.09, RAGE-KO control: 1.25±0.06, RAGE-KO DEX: 1.07±0.02)とREDD1(WT control: 1.00±0.16 , WT DEX: 1.36±0.76, RAGE-KO control: 2.25±0.81, RAGE-KO DEX: 0.42±0.05)が関与する可能性が示唆された。
現在、C2C12細胞を用いたステロイドによる骨格筋分化誘導阻害モデルを作成中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の目的であった、RAGEが骨格筋委縮に関与するという仮説は、RAGE欠失マウスとその対照である野生型マウスを用いた解析から、RAGE野生型マウスと比較して、RAGE欠失マウスに対するDEX負荷では腓腹筋筋量/体重比が有意に増加し、LPS負荷では有意に減少するという現象が確認された。骨格筋の遺伝子解析からは、DEXによる骨格筋量減少は、骨格筋のタンパク異化・同化にかかわるKlf15とREDD1が関与する可能性が示唆された。現在、C2C12細胞を用いたステロイドによる骨格筋分化誘導阻害モデルを作成中である。

今後の研究の推進方策

今後は、RAGEが骨格筋委縮に関与するメカニズムを、培養骨格筋細胞(C2C12(マウス))を用いて検討を行う。アデノウイルス(Ad-RAGEあるいはAd-LacZ)により、培養細胞にRAGEを強制発現させ、DEXあるいはLPSによる骨格筋委縮の機序を検討する。in vitro細胞実験系が確立されれば、NF-κB阻害剤や、MAP kinase阻害剤などを用いてRAGEシグナルの解析を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 終末糖化産物受容体(RAGE)はグルココルチコイドによる骨格筋委縮に関与する2021

    • 著者名/発表者名
      庄司 拓仁
    • 学会等名
      第94回日本内分泌学会学術総会

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公開日: 2021-12-27  

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