研究課題/領域番号 |
19K07880
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
北中 明 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70343308)
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研究分担者 |
通山 薫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80227561)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 骨髄増殖性腫瘍 / calreticulin / チロシンキナーゼ |
研究成果の概要 |
本研究では、骨髄増殖性腫瘍にみられる変異CALRがMPLシグナルを活性化する機序について、情報伝達機構における重要分子の解析を行った。その結果、Src選択的阻害薬PP2とBcr-Abl/Src阻害薬ボスチニブが、CALR変異導依存性の細胞増殖を抑制し、CALR変異により亢進したSTAT5の転写活性を抑制することを見出した。このうちボスチニブはヒト体内で到達可能な血中濃度において細胞増殖抑制作用を発揮した。血球細胞における主要なSrcファミリーであるLynを特異的に抑制したところ、CALR変異依存性の細胞増殖が阻害され、変異CALRによる情報伝達機構にLynが重要である可能性が示された。
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自由記述の分野 |
細胞内情報伝達機構
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、骨髄増殖性腫瘍(MPN)の病態解明が著しく進歩し、病因となる変異遺伝子産物を標的とした新規薬剤JAK阻害薬が臨床応用されている。JAK阻害薬はMPN症例の多くに変異が認められるJAK2を標的としており、臨床症状の改善に有効であるが、血球減少の副作用がある。疾患の発症・進展に関与する変異型JAK2と、正常な造血の維持に必要な野生型JAK2の間で酵素活性を有する部分の構造に差異はなく、両者に異なった作用を示す阻害薬の開発は極めて困難である。本研究で見出した変異CALR下流分子の詳細を解明することは、これまでと異なった作用機序のMPN治療薬開発につながる可能性がある。
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