RSウイルス感染症は小児の呼吸器感染症であるが、しばしば重篤化することがしられている。しかし、有効な治療薬はまだない状況である。我々は、本研究において、漢方薬麻黄湯の構成生薬である麻黄と桂皮が、RSウイルスの外被タンパク質であるGタンパク質に結合することを見出した。しかも、Gタンパク質の受容体結合部位であるCCD(Central Conserved Domain)のCX3Cモチーフに結合することで、宿主細胞レセプターへの感染性を阻害することがわかった。マウスRSウイルス感染症においても、麻黄湯を投与すると肺のウイルス量が著明に低下することを証明した。
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