研究実績の概要 |
過敏性腸症候群(IBS)に対するビデオ教材を併用したCBTプログラムの効果検証のため, 東京大学,東北大学,国立国際医療研究センター病院,国立国際医療研究センター国府台病院,国立精神・神経医療研究センター病院ならびに同トランスレーショナル・メディカルセンターと協議し,多施設共同無作為化比較試験プロトコールを確定した。その後,分担研究者の河西ひとみがプロトコール論文を執筆し,BioPsychoSocialMedicineに掲載された。また,CBT-IE(内部感覚曝露を用いた認知行動療法)ならびにTAU(通常治療)の各機関の介入担当者を対象とした月1回のスーパーヴィジョンを実施し,プロトコールに沿った均質な介入が実施できるよう準備した。介入の実施状況としては,全施設で両群(CBT-IE+TAU群とTAU群)合計22例のIBS患者を症例登録し,現在も研究継続中である。加えて,治療効果の神経基盤の解明のため,国立精神・神経医療研究センター病院において,介入開始前(両群合計7名)と介入終了後(両群合計3名)にMRI撮像を行った。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の世界的な流行に伴い,2020年3月に予定していたアメリカ心身医学会への参加を見合わせたため(学会発表自体はWeb上で実施),今年度の助成金に残高が発生した。次年度は,前年度からの繰り越し分と当該年度分の助成金を合わせて,英語論文投稿費用および英文校正費,研究の遂行に必要な物品の購入や研究参加者への負担軽減費用として使用する予定である。
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