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2019 年度 実施状況報告書

VEGFR-3陽性単球系細胞を指標とした間質性肺炎の新規マーカーの開発と病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K07894
研究機関岩手医科大学

研究代表者

山下 雅大  岩手医科大学, 医学部, 助教 (10606685)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードマクロファージ / VEGFR-3
研究実績の概要

①vascular endothelial growth factor receptor-3 (VEGFR-3)floxed; Cre-LysMマウスとlittermateを用いてBleomycin誘発性肺線維症モデル実験を行った。Kaplan-meier曲線解析、定時線維化スコアなどからマクロファージに発現するVEGFR-3が病態形成に保護的に作用していることが判明した。

②VEGFR-3floxed; Cre-LysMマウスとlittermateを用いてリポポリサッカライド(LPS)誘発性肺傷害モデル実験を行った。Kaplan-meier曲線解析、定時肺傷害スコア、浸潤炎症(特に好中球数)細胞数などからVEGFR-3陽性マクロファージがリンパ管新生とは独立して肺傷害の修復に関与していることが明らかとなった。VEGFR-3陽性細胞は特に肺胞マクロファージに多く認められ、それらは修復期において肺胞マクロファージにおけるCD51(Integrin a5: efferocytosisへの関与が既に報告されている)の発現を制御することでefferocytosisを制御していた。また、ヒト急性呼吸窮迫症候群患者および対照疾患(特発性器質化肺炎)患者および健常人コントロールの気管支肺胞洗浄液に肺胞マクロファージを培養したところ、急性呼吸窮迫症候群では他の二群に対してマクロファージに発現するVEGFR-3が低下していた。加えて、急性呼吸窮迫症候群患者および対照疾患(特発性器質化肺炎)患者および健常人コントロールの気管支肺胞洗浄液に肺胞マクロファージを培養したところ、急性呼吸窮迫症候群におけるefferocytosisのphagocytic indexが低下していた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

肺線維化病変におけるVEGFR-3陽性マクロファージの役割は明らかになりつつある。

肺傷害におけるVEGFR-3陽性マクロファージの一つの作用機序が解明されている。

今後の研究の推進方策

肺線維化病変におけるVEGFR-3陽性マクロファージの具体的な作用機序について明らかにする予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナウイルス感染の蔓延により予算に組み込まれていた旅費が未使用となっている。次年度に試薬購入に充てる予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] Helsinki University(フィンランド)

    • 国名
      フィンランド
    • 外国機関名
      Helsinki University
  • [学会発表] マクロファージIGF-1シグナルの急性肺傷害修復機能2020

    • 著者名/発表者名
      山下雅大 前門戸任
    • 学会等名
      第60回日本呼吸器学会学術講演会
  • [学会発表] Distinctive polarization of circulating classical monocytes between idiopathic pulmonary fibrosis and idiopathic nonspecific interstitial pneumonia.2020

    • 著者名/発表者名
      Yamashita M
    • 学会等名
      European Respiratory Society2020
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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