研究課題
①vascular endothelial growth factor receptor-3 (VEGFR-3)floxed; Cre-LysMマウスlittermateを用いてBleomycin誘発性肺線維症モデル実験を行った。Kaplan-meier曲線解析、定時線維化スコアなどからマクロファージに発現するVEGFR-3が病態形成に保護的に作用していることが判明した。具体的な機序は現在さらに検討中である。②VEGFR-3floxed; Cre-LysMマウスとlittermateを用いてリポポリサッカライド(LPS)誘発性肺傷害モデル実験を行った。Kaplan-meier曲線解析、定時肺傷害スコア、浸潤炎症(特に好中球数)細胞数などからVEGFR-3陽性マクロファージがリンパ管新生とは独立して肺傷害の修復に関与していることが明らかとなった。VEGFR-3陽性細胞は特に肺胞マクロファージに多く認められ、それらは修復期において肺胞マクロファージにおけるCD51(Integrin a5: efferocytosisへの関与が既に報告されている)の発現を制御することでefferocytosisを制御していた。また、ヒト急性呼吸窮迫症候群患者および対照疾患(特発性器質化肺炎)患者および健常人コントロールの気管支肺胞洗浄液に肺胞マクロファージを培養したところ、急性呼吸窮迫症候群では他の二群に対してマクロファージに発現するVEGFR-3が低下していた。加えて、急性呼吸窮迫症候群患者および対照疾患(特発性器質化肺炎)患者および健常人コントロールの気管支肺胞洗浄液に肺胞マクロファージを培養したところ、急性呼吸窮迫症候群におけるefferocytosisのphagocytic indexが低下していた。以上の結果からはマクロファージVEGFR-3/VEGF-Cシグナルが急性肺傷害に重要な役割を果たし、そのシグナルの阻害がhuman ARDSにおける修復障害の一因になっていることを解明した。
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Eur Respir J.
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