研究課題
小型の過剰染色体である過剰マーカー染色体は、比較的発生頻度が高い染色体異常である。生殖細胞形成過程や発生過程での新生発生や染色体転座保因者の生殖細胞の減数分裂時の染色体不分離により生じる。従来、過剰染色体は多数の遺伝子を含有し、患者間の遺伝的背景が一致しないために、発症メカニズムの研究は困難であった。本研究では、患者間で過剰遺伝子領域が一致し、その領域が比較的狭いエマヌエル症候群を主な対象にし、症状に関連する遺伝子群の解明を目指している。本年度は、エマヌエル症候群の染色体過剰領域とオーバーラップする、11番もしくは22番染色体が過剰となる複数の染色体疾患の症状について比較検討を行った。その結果、症状に関連すると考えられる形態形成に関わる可能性が高い領域を数カ所推定し、遺伝子発現プロファィリングのターゲットを絞ることができた。また、CRISPR-Cas9システムの導入の検討を行い、次年度の足掛かりとなる作業を行った。
2: おおむね順調に進展している
着目すべき表現型に関連すると考えられる遺伝子群の候補を抽出する作業ができた。
様々な症状を持つ患者検体の収集を行い、次世代シーケンサーを用いて遺伝子発現プロファィリング解析を行う。また、ゲノム編集技術の1つであるCRISPR-Cas9を用いた基礎的検討を引き続き進める。
主に情報収集やデータベース解析を行い、また現状にある物品で研究を遂行したため、物品費を来年度に使用する。次世代シーケンサーを用いた遺伝子発現プロファィリング解析などの網羅的遺伝子解析やゲノム編集分子遺伝学的解析費用等に充てる。
すべて 2021 2020 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (6件) 備考 (1件)
日本遺伝カウンセリング学会誌
巻: 41 ページ: 225-228
J Biol Chem .
巻: - ページ: -
10.1016/j.jbc.2021.100544.
J Pediatric Infect Dis Soc.
巻: 10 ページ: 175-178
10.1093/jpids/piaa009.
nfect Dis .
10.1093/infdis/jiaa606.
spl Infect Dis .
巻: 22 ページ: e13331
10.1111/tid.13331.
http://www.fujita-hu.ac.jp/~genome/11&22