研究課題
申請者は既に肥満・糖尿病の心血管病(CVD)リスクとしての単球機能異常(M1/M2極性)を報告してきた。また、基礎研究基盤としてマウス骨髄のマイクロアレイから、糖尿病・肥満の骨髄単球にてTREM2の発現亢進を新規に認めた。本研究では、糖尿病・肥満に伴う脳心腎連関進展における単球-ミクログリア機能・TREM2の病態意義の解明目指す。申請者は国立病院機構多施設共同糖尿病・肥満症コホートにおいて血中sTREM2高値が糖尿病患者の認知機能低下と関連し(Diabetes Metab 2019)、久山町一般住民では血中sTREM2値と10年後の認知症発症と有意に関連し、認知症の新規予知指標となる事を示した(Ann Neurol 2019)。また、認知症マウスにてタキシフォリン投与による海馬のTREM2発現抑制による認知症改善効果を報告した(Proc Natl Acad Sci U S A 2019)。さらに、SGLT2阻害薬による腎機能改善効果を報告した(Intern Med 2020)。最終年度には、非肥満糖尿病患者HbA1cの増悪群では、sTREM2の初期高値が2年後の認知機能低下と有意に関連し、sTREM2が認知機能低下の新規予知指標となると報告した(Front. Endocrinol 2022)。新規に構築した認知症・MCIコホートではTREM2に着目した糖尿病性認知症の特徴を報告した(Diabetes Res Clin Pract 2022)。また、初期sTREM2と2年間のeGFR変化量に相関傾向を認め、肥満症では、シスタチンCで換算したeGFRcysの経時的な低下がCVDの発症と関連することを認め、eGFRcysはクレアチニン換算のeGFRcreより、肥満・糖尿病患者のCVD発症予測に適することを報告した(Obes Sci Pract. 2022)。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (2件)
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