研究課題
本研究においては,甲状腺癌の低侵襲術前遺伝子検査方法の確立とそれを加えたリスク評価法の確立を目的とし,穿刺吸引細胞診検体中微量DNAから甲状腺癌における変異遺伝子の検出方法を確立するとともに,新たな超音波検査技術である高感度血流評価や組織弾性評価法による超音波画像評価を加え,先進的な甲状腺癌診断およびリスク評価法を樹立することを目指している。各種甲状腺癌培養細胞を用いた代表的な甲状腺癌の遺伝子変異および甲状腺癌の増殖進展に関連する遺伝子発現量の検査系を確立した上で,倫理申請を行い,甲状腺腫瘍患者における臨床研究を開始した。その結果,Digital PCR法を用いることにより,穿刺吸引細胞診で検体作成後の穿刺針中に残存していた微量な細胞から抽出したDNAを用いて,術前遺伝子診断が可能であることをしめした。最も代表的な遺伝子変異であるBRAFV600E変異は,全検体の26%,甲状腺癌症例の58%に検出された。また,臨床的リスクに関連するTERT遺伝子変異においては,C228T変異は14%,C250T変異は2%に認められた。これらの遺伝子変異情報と臨床データの評価により,術前のリスク評価が可能であることが示唆された。
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すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (24件) (うち招待講演 12件)
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