研究実績の概要 |
超高齢社会となっている日本だけでなく、先進国では急速に高齢化が進んでいる。老化は不可逆的な生理現象であり、様々な機能低下を来す事が知られている。我々はこれまで、マウス脳内において老化によりレドックス状態の不均一性が増大することを見出しており、この事が高齢化による様々な疾患に関与しているのではないかと考えるに至った。そこで本研究では、酸化ストレスという観点から老齢マウスと若齢マウスとの間にどのような共通点や差異があるのか?という問いを立て、レドックス状態の相対的指標を非侵襲的に画像化できるEPRイメージング法と、in vitroによる複数の脳内酸化ストレスマーカーの情報を統合し、老化により脳内ではどのような変化が起きたのかを明らかにする画像指標(Risk factor map)を作成する事を目的とした。 使用するイメージングプローブであるnitroxideは構造によりそれぞれ固有の酸化還元電位を持っているため、酸化ストレス感受性が異なる特性がある。そのため、今年度はrisk factor mapのベースとなる酸化ストレスイメージングの画像4-Hydroxy-2,2,6,6-tetramethylpiperidine-1-oxyl(Tempol)や3-Carboxy-2,2,5,5-tetramethylpyrrolidine 1-Oxyl(MCP)などから得て、若齢から高齢マウスおよび検証用のアルツハイマー病モデルマウスを対象としたin vivo EPRイメージングの結果を比較検討した。
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