研究課題
炎症のベクトル(悪化か鎮静化か)を把握するため、血漿の急性期蛋白であるSAA(血清アミロイドA)の断片化または分子酒食を指標とすることが本研究の目的である。これまで数種のSAA断片化フラグメントをin vitroの分解実験で数種同定したほか、SAAが組鰍に沈着するAAアミロイドーシスにおいては、SAAの2箇所のメチオニンが酸化していることを見出した。令和2~3年度には、メチオニン酸化部位に特異的なモノクロ―ナル抗体を作製し、免疫組織化学でAAアミロイドーシス組織に陽性反応を示すことを見出した。つまり、本修飾がアミロイド沈着の原因か結果かは不明であるが、なんらかの病因的意義がある可能性が示されたわけである。その後、質量分析またはELISAによる酸化修飾体の定量法の開発を試みているが、確立には至っていない。ごく最近、新規の修飾体の検出がなされ、現在その同定法と意味付けの研究を行っている。以上の成果は、日本臨床化学会、日本アミロイドーシス学会において演題を提出して発表した。
3: やや遅れている
新型コロナ感染症ため、研究分担者の実験参画、ミーティングに支障をきたしている。実験上の課題であった、操作中のSAAの参加についてはその回避策を見出だした。参加部位特異的モノクリーナル抗体の反応性が弱く、ELISA系に持ち込めないでいる。
質量分析による参加修飾の半定量的検出法を確立し、臨床検体に応用し、その意義を評価する。成果を関連学会で発表したい。
新型コロナ感染症の影響で実験ならびに共同研究の推進は円滑にいかなかった。遅延した実験を行うための試薬購入および成果発表に使用したい。
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J Clin Invest
巻: 131 ページ: e145693
10.1172/JCI145693