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2023 年度 実施状況報告書

2型糖尿病治療薬メトホルミンによる腸内細菌叢の変動

研究課題

研究課題/領域番号 19K07925
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

河野 緑  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00225385)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
キーワード2型糖尿病モデルマウス / 腸内細菌叢 / メトホルミン
研究実績の概要

メトホルミンは、2型糖尿病治療薬の1つであり、主に肝臓での糖新生を阻害することにより耐糖性を改善する。そのメカニズムは不明の点が多いが、AMP活性化キナーゼの活性による糖新生に関する遺伝子発現の抑制やAMPK経路を介さないアデニルシクラーゼやグリセロリン酸シャトル抑制などが関与しているとされている。また、メトホルミンが腸内細菌叢数を変化させることにより治療効果を高めているという報告もある。本研究の目的は、メトホルミンが腸内細菌叢にどのような影響を与えているのかをマウスを使って調べることである。具体的には、2型糖尿病モデルマウスであるC57BL/6JHamSLc-ob/obおよび同系統の野生型について、メトホルミン投与群とメトホルミン非投与群との腸内細菌叢の差異およびそれに付随すると考えられる胆汁酸組成の差異について、時系列でそれぞれの変化を調べている。
腸内細菌叢の変化としては、糖尿病モデルマウスおよびコントロールマウスともに、メトホルミン投与開始後に、Lactobacillus の割合が減少し、Bifidobacterium属が増加傾向を示した。胆汁酸組成については、凍結乾燥を行った糞便から胆汁酸分画を抽出し、LC MS/MSによる解析を行ったところ、メトホルミン投与群で明らかに、胆汁酸の種類が増加するが、その後も飼育を継続すると、胆汁酸の種類と量は、メトホルミン投与群と差が差が減少する傾向がみられ、その後、また投与群の胆汁酸が増加傾向に転じるという現象が観察された。これは、おそらくホメオタシスによるものではないかと推察された。現在、腸内細菌叢の変動特にBifidobacterium属菌種の変動について調査している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究代表者は、所属している大学の附属病院における新型コロナウイルス変異検査等に関わる必要が生じているため、既に生じている研究計画の遅れを十分に進めるための時間の確保ができていない状況が続いているため。

今後の研究の推進方策

研究代表者は、再々延長を承認させていただきました。遅れておりますが、既に採取した糞便サンプルについて、個々の腸内細菌種と胆汁酸変動について解析を行っております。
今後の研究の推進方策
1)新規の動物実験は行わない。
2)胆汁酸プロファイルの変動ポイント時に採取した糞便について、腸内細菌叢ゲノム解析を行う。また、胆汁酸プロファイルの変動ポイント時に採取した糞便について、Bifidobacteriumの菌量の変動をリアルタイムPCRを利用して解析を行う。
3)昨年に引き続き、胆汁酸プロファイルについて、データベースを用いて、その特徴についての解析を行う。

次年度使用額が生じた理由

進捗状況欄にも書かせていただきましたが、諸藩の事情により、努力はしてまいりましたがエフォート配分の達成が計画通りにいかず、最終年度を再延長させていただきました。今年度は、昨年度に遂行できなかった実験を確実に終了させ、研究を完了させたいと考えております。使用額の具体的な使用については1)胆汁酸プロファイルの変動ポイント時の保存糞便より核酸を抽出するための試薬キットの購入。2)ゲノム解析の外注費用。3)Bifidobacterium 種別のリアルタイムPCRを行うために、プライマー作成およびリアルタイムPCR用試薬(酵素)の購入。3)これまでにも発生している胆汁酸プロファイルやゲノム解析データの保存を行うためのUSBメモリーの購入。を計画している。

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公開日: 2024-12-25  

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