研究課題/領域番号 |
19K07937
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
萩原 圭祐 大阪大学, 医学系研究科, 特任教授(常勤) (60423183)
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研究分担者 |
梶本 勝文 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (30403067)
中田 英之 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教 (50730884)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | メタゲノム / 腸内細菌叢 / サルコペニア / 牛車腎気丸 |
研究実績の概要 |
SAMP8マウス8週齢から、通常の餌(N=6)または通常の餌に4%の牛車腎気丸を追加した群(N=6)を比較検討した。糞便は、導入前、14日後、28日後に採取し、-30度で保存し、メタゲノム解析をおこなった。解析は、サイキンソー社の協力のもと、Jupiter notebookというデータ解析環境を使用した。(1)多様性(shannon index)に関しては、週齢と多様性の低下は報告されているが、解析では、両群とも週齢の経過で多様性が低下し、群間の有意差はみられなかった、(2)主要属菌の変化についてはよく知られるいくつかの菌(Bacteroides、Prevotella、Bifidobacterium、Akkermansiaなど)について、群別の保有割合の変化を検討したが、時系列変化は見られるものの、群別の有意差はみられなかった。(3)距離指数 Bray-Curtisは、各菌の保有量も考慮した手法であるが、両群ともに時間経過で変化している傾向であった。Jaccardは、各菌の保有の有無で菌叢の違いを検討する手法であるが、投与群において、投与14日目での変化を認めたが、28日目で元にもどる傾向がみられ、有意差はなかった。解析では、マウスでも腸内細菌叢の個体差は大きい印象であった。同時に、マウスの血液・肝臓を、0.1%ギ酸入りMeOHにてホモジナイズしたサンプルを、質量分析(LC/MS/MS)にて解析した。その結果、肝臓においては、牛車腎気丸の投与により、タウリン抱合型の胆汁酸が増加することが確認された。同時に血液においては、二次胆汁酸の増加を確認した。 現在、奈良県三郷町において、のべ460名超の参加者をフレイル検診にてフォトーしている。その中で、メタゲノム解析に同意した300名の腸内細菌叢データを採取した。現在、フレイル判定や筋肉量。筋力などとの関連性を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調に進んでいたが、令和2年2月からの新型コロナ感染の蔓延により、現在実験が進められない状況になっている。特に緊急事態宣言を受け、研究員や学生の大学への出勤、登校が難しく、令和2年度は進捗が遅れる可能性が高い。状況に応じて、対応していきたいと考えている、
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今後の研究の推進方策 |
1.メタゲノム解析による老化促進モデルマウスの腸内細菌叢とサルコペニアの検討 当初予定では、老化促進モデルマウスのみで、検討する予定であったが、最初の解析により、老化促進モデルマウスの腸内細菌叢がマウス特異的な可能性も考慮されるため、一般的な老齢マウスも用いた解析を予定している。その際に、筋肉・筋力の評価に加えて、肝臓、血液における胆汁酸の発現を検討する予定である。牛車腎気丸の構成生薬において、胆汁酸の発現に影響する生薬も候補が上がっているので、それらの生薬も検討する。 2.フレイル検診参加者におけるメタゲノム解析 現在、奈良県三郷町において、のべ460名超の参加者をフレイル検診にてフォトーしている。メタゲノム解析に同意した300名の腸内細菌叢データを採取し、その中で、フレイル群、プレフレイル群、健常者(ロバスト)群の三群を抽出して各群50名×3でメタゲノム解析を行い、腸内細菌叢の推移が、フレイルにどう影響するのか検討していく予定である。
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