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2020 年度 実施状況報告書

Cureを可能とする関節リウマチの早期予測バイオマーカーの創出

研究課題

研究課題/領域番号 19K07940
研究機関広島大学

研究代表者

平田 信太郎  広島大学, 病院(医), 准教授 (90525461)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード関節リウマチ / バイオマーカー / 治癒 / 寛解
研究実績の概要

本研究は、関節リウマチ(RA)のCureを実現可能とする「真の寛解」ないし「分子学的寛解」の指標となりうる新規バイオマーカーの探索と確立を目的とし遂行している。2020年度は、2019年度に引き続き、未治療早期RAレジストリによる臨床的検討と、関節炎と関節破壊に重要なサイトカイン、ケモカインなどの液性因子と破骨細胞分化に関する基礎的検討の両面から解析を進めた。
未治療早期RAレジストリ(Three Arrow Study)は2021年3月の時点で204例の登録に至り、新規登録を完了した。引き続きデータベース化を進めるとともに、24週までの観察が完了した32例について、治療前および24週での臨床的アウトカムと血清バイオマーカーの関係についてマルチプルアッセイを用いた新規バイオマーカーのスクリーニングを行った。その結果、IL-4、IL-6、IL-10、IP-10など複数のサイトカインの有意な低下がみられ、特にIL-4とIP10はRAの治療反応性と相関し、また診断時のRANTES値が早期RAにおける予後予測因子となりうる可能性が見出された。
破骨細胞分化のメカニズムに関する基礎的検討については、昨年度に引き続き疾患活動性および関節破壊に対する新たなバイオマーカーとしてCXCL10、calprotectinおよび14-3-3ηを中心に解析を進めている。
2021年度は、未治療早期RAレジストリ(Three Arrow Study)について、関節破壊評価も含めた臨床データベース構築を進める。また、保存血清を用いて上記バイオマーカーを中心にマルチプルアッセイにより測定し、臨床アウトカムとの関係性から「真の寛解」ないし「分子学的寛解」の指標となりうるバイオマーカー探索を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当科で進行中の未治療早期関節リウマチ(RA)レジストリ(Three Arrow Study)については、2021年3月の時点で204例の登録を完了し、パイロット研究として32症例におけるマルチプルアッセイを用いた新規バイオマーカーのスクリーニングに着手し、候補マーカーとしてIL-4、IL-6、IL-10、IP-10、RANTESなど複数のサイトカインの有意な低下を確認した。特にIL-4とIP10はRAの治療反応性と相関し、また診断時のRANTES値が早期RAにおける予後予測因子となりうる可能性が見出された。
一方、RAにおける破骨細胞分化のメカニズムに関する基礎的検討では、昨年度に引き続きCXCL10、calprotectinおよび14-3-3ηを中心とした解析を継続中である。

今後の研究の推進方策

未治療早期RAレジストリ(Three Arrow Study)については、2021年3月で204例の症例登録を完了した。2021年度は、登録症例の年齢・性別・罹病期間・喫煙歴・使用薬剤(生物学的製剤・抗リウマチ薬)・合併症・疼痛関節数・腫脹関節数・患者全般評価・DAS28・CDAI・SDAI・HAQ・ESR・CRP・リウマトイド因子・抗CCP抗体、レントゲンによる関節破壊評価などのデータベース化を進め、保存血清を用いて、14-3-3η、calprotectin、CXCL10および今回新たに見出したIL-4、IP10含む種々のバイオマーカーをマルチプルアッセイ等により測定し、疾患活動性の推移、予後不良因子の有無、関節破壊との関係性を検討し、RAのCureを目指すため「真の寛解」ないし「分子学的寛解」の指標となりうるバイオマーカーを探索する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Tapering and discontinuation of oral glucocorticoids without deterioration of disease status in patients with rheumatoid arthritis under a stable treatment2021

    • 著者名/発表者名
      Hirata Shintaro、Kohno Hiroki、Watanabe Hirofumi、Tokunaga Tadahiro、Yoshida Yusuke、Sugimoto Tomohiro、Mokuda Sho、Oda Keisuke、Nojima Takaki、Sugiyama Eiji
    • 雑誌名

      Modern Rheumatology

      巻: 31 ページ: 803~808

    • DOI

      10.1080/14397595.2020.1864914

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effect of Porphyromonas gingivalis infection on gut dysbiosis and resultant arthritis exacerbation in mouse model2020

    • 著者名/発表者名
      Hamamoto Yuta、Ouhara Kazuhisa、Munenaga Syuichi、Shoji Mikio、Ozawa Tatsuhiko、Hisatsune Jyunzo、Kado Isamu、Kajiya Mikihito、Matsuda Shinji、Kawai Toshihisa、Mizuno Noriyoshi、Fujita Tsuyoshi、Hirata Shintaro、Tanimoto Kotaro、Nakayama Koji、Kishi Hiroyuki、Sugiyama Eiji、Kurihara Hidemi
    • 雑誌名

      Arthritis Research & Therapy

      巻: 22 ページ: 249

    • DOI

      10.1186/s13075-020-02348-z

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 関節リウマチ滑膜細胞におけるシトルリン化フィブリノーゲンのCXCL10誘導作用とその機序の検討2020

    • 著者名/発表者名
      河野 紘輝, 應原 一久, 大本 卓司, 渡辺 裕文, 湯川 和俊, 徳永 忠浩, 倉信 達臣, 大井 勝博, 杉本 智裕, 吉田 雄介, 茂久田 翔, 小田 啓介, 野島 崇樹, 平田 信太郎, 杉山 英二
    • 学会等名
      第64回日本リウマチ学会総会・学術集会

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公開日: 2021-12-27  

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