本研究では、質量分析法を用いたライソゾーム病の臨床検査方法の確立を行なった。研究課題は2つ設定した。1つはファブリー病とニーマンピック病型のバイオマーカーの高感度分析法の確立であり、もう1つはスフィンゴ脂質の長鎖塩基の分子種分析の網羅的解析である。まずバイオマーカーについてはイオン交換法を利用した前処理法を検討し、高感度分析を可能とした。次にスフィンゴ脂質の網羅的解析については炭素差数、二重結合数、水酸基の数をあらかじめ計算したMRM同定テーブルを準備して一斉分析を可能にした。以上、本研究では診断における定量と定性の両面から有用な情報を提供できる臨床検査分析システムの構築を行った。
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