研究課題
病理学的には血管周囲性の著しいリンパ球浸潤や血管周囲性脱髄がありMOGの脱落を伴う脱髄性病変を特徴とすることを明らかにし、CD8陽性細胞の浸潤を特徴とするMSとは異なり、CD4陽性細胞浸潤が優位でありADEM類似の脱髄病変を特徴とする病理像が主体であることを明らかにした。AQP4抗体陽性視神経脊髄炎関連疾患(NMOSD)のような補体や免疫グロブリン沈着の判然としない例が多く認められ、液性免疫の関与がNMOとも異なる可能性がある。また、MOG抗体が産生される部位については、従来は末梢リンパ組織からの産生が考えられてきた。それは血清中に証明されることが多いことに起因しており、血清及び髄液での検証が必須であった。今回の研究によりMOG抗体は従来知られている以上に髄液中の産生が優位である可能性が示唆され、実際には髄液中のみで陽性であるMOG抗体関連疾患も少なからず存在することが判明。それにより、従来の診断基準では診断されない例が存在することが明らかとなった。MOG抗原に対する免疫応答がMOG抗体関連疾患と他疾患でどのような違いがあるかは、脱髄性疾患における細胞性免疫応答を研究するうえで有用である。本研究においては、当院に通院中のMS, 抗AQP4抗体陽性NMO、抗MOG抗体陽性脳脊髄炎患者の末梢血より既報のごとくリンパ球を分離し、抗原の添加群と非添加群においてリンパ球の活性化をFlowcytometer法、Elispot法、細胞内サイトカインの発現等を用いて解析した。その結果、MOG抗体陽性群で一部のMOGペプチドに応答するエピトープ(MOGp16-40,MOGp181-205)が明らかとなり、またAQP4陽性群においては、MOGp166-190やAQP4p21-40,AQP4p211-230等に対する免疫応答があることが明らかとなった。
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