現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1)irAE筋炎と慢性移植片対宿主病(GvHD)に伴う筋炎の臨床病理像の検討はほぼ終了した。irAEとしての筋炎では、その他の筋炎素因、合併する筋炎自己抗体により臨床病理像が変化することが明らかになった。慢性GvHDに伴う筋炎の臨床病理像は均一でないことがわかった。免疫チェックポイントの関係した筋炎としては、CK高値の亜急性増悪期の筋炎像に焦点をあてる必要がある。免疫チェックポイントに異常がある筋炎である両群に関して知見の意義をまとめていく。 2)免疫チェックポイント機構に異常がある筋炎の筋炎全体群の中での評価検討に、やや遅れが生じている。筋炎特異抗体(TIF1γ、Jo1抗体など)ごとに免疫チェックポイント関連分子[(PD-1,PD-L1, CTLA-4,CD80・CD86 pathway, CD28, Fas, Fas-L, CD33, CD11b, CD8, CD4,Treg(FOXp3), CD68, CD123(樹状細胞), CD11c(M1マクロアージ), CD163(M2マクロファージ)]に対する免疫染色を遂行中であるが、これらの抗体で同定できない浸潤細胞の存在が示唆された。コロナ禍の影響で海外発注の抗体の到着が遅れ技師の出勤できない期間があり、研究用の抗体の入手、免疫染色過程の遅れがあったが、Natural Killer Cell、Dendritic Cell のマーカーを入手した。これらの染色を加え、免疫チェックポイントの関係した筋炎の筋炎全体群の中での評価検討を遂行する。 3)多発筋炎・封入体筋炎の組織の発現解析に関しては,43例の封入体筋炎と6例の多発筋炎,9例のコントロール症例について次世代シーケンサ―で得た網羅的なmRNA発現データを得ており、組織の免疫チェックポイント分子の組織発現の解析をおこなっている.
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