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2019 年度 実施状況報告書

シヌクレイノパチー前駆症状に関与する口腔微生物神経毒の定量的検討

研究課題

研究課題/領域番号 19K07957
研究機関新潟大学

研究代表者

小澤 鉄太郎  新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (10377153)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードパーキンソン病 / 歯周病 / 口腔微生物 / 自律神経 / αシヌクレイン
研究実績の概要

令和1年度は、新規パーキンソン病(PD)症例13例(男性8例、女性5例、平均年齢70.5歳)について評価し得た。全例でMIBG心筋シンチグラフィーでの集積低下を確認した。唾液中の歯周病原性細菌として、A. actinomycetemomitans、P. intermedia、P. gingivalis、T. forsythensis、T. denticola、F. nucleatumの6菌種について定量検査を行った。PD症例の唾液中における口腔内総菌数の対数値(Logコピー/10μl唾液)は、5.6から7.0の間で推移し、総菌数の実数値の平均は497万(コピー/10μl唾液)であった。A. actinomycetemomitansの菌数の対数値は、13例全てにおいて1.0未満であり検出閾値未満であった。P. intermediaの対数値が1.0を越えた症例は7例、P. gingivalisの対数値が1.0を越えた症例は8例、T. forsythensisの対数値が1.0を越えた症例は11例、T. denticolaの対数値が1.0を越えた症例は8例、F. nucleatumの対数値は13例全例で1.0を越え、その菌数の実数値の平均は12万(コピー/10μl唾液)であった。これらの結果をふまえて、PD症例の唾液中の歯周病原性細菌としては、F. nucleatumが優位に存在する可能性があるのではないかと考えている。現状では、総細菌数ならびにF. nucleatumの菌数と、嗅覚低下の程度ならびに自律神経障害の重症度との間に相関は見られていない。さらに症例数を増やす必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新規パーキンソン病症例のエントリー数としては、単一施設での13例は妥当な数値と思われる。対象における自律神経機能検査、嗅覚機能検査、口腔ガス分析、ならびに唾液中歯周病原性細菌定量検査は順調に実施できている。

今後の研究の推進方策

昨年度と同様に新規症例のエントリーを継続しつつ、対象における自律神経機能検査、嗅覚機能検査、口腔ガス分析、ならびに唾液中歯周病原性細菌定量検査を実施していく。しかしながら、昨今の新型コロナウイルス感染拡大の影響があり、口腔ガス分析と唾液中歯周病原性細菌定量検査については延期せざるを得ない状況が続いている。新型コロナウイルス感染拡大が収束後に、研究全般の実施のスピードを上げるように努めたい。

次年度使用額が生じた理由

令和1年度末に開催予定であった学術集会(第7回国際多系統萎縮症会議)が、新型コロナウイルス感染拡大のため延期となったのが主な要因と考えられる。この学術集会は令和2年度内に延期開催される見込みであり、その際の旅費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] シヌクレイノパチーにおける腸脳軸の障害2019

    • 著者名/発表者名
      小澤鉄太郎
    • 雑誌名

      Medical Sceince Digest

      巻: 45 ページ: 58-61

  • [学会発表] 臨床医から見た消化管栄養感知と迷走神経機能2019

    • 著者名/発表者名
      小澤鉄太郎
    • 学会等名
      第72回日本自律神経学会総会

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公開日: 2021-01-27  

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