研究課題
脳アミロイドアンギオパチー(CAA)関連炎症の症例の脳脊髄液の収集について、教室ホームページなどを通じてCAA関連炎症の脳脊髄液を含めた検体の収集を行っていることを継続的にアピールした。CAA関連炎症モデルマウスの作成について、十分な脳血管へのアミロイド沈着が見込めることから、自施設で繁殖しているアルツハイマー病マウスモデル(Mm-129B6-TgN(APPSw))を使用する方針とした。動物実験の遂行に関して動物実験計画書を作成し、金沢大学動物実験委員会で承認を得た。また、CAA関連炎症モデルマウスの作成にはヒトの凍結脳検体と脳脊髄液検体を使用する必要があるため、実験計画について金沢大学医学倫理委員会に申請し、承認を得た。CAA関連炎症やコントロールとして使用する症例における脳脊髄液の抗Aβ抗体の測定について、新たな脳脊髄液における抗Aβ抗体の測定系の確立を継続して行っているが、安定した結果が得られておらず、測定系の改良を継続している。また、これまで収集して保存している脳脊髄液検体(CAA関連炎症 15例、CAA 15例)やヒトの病理標本(CAA関連炎症の生検例 6例、剖検例 2例)を解析し、CAA関連炎症について治療後では脳脊髄液中のAβ40やAβ42が治療前と比較して低下すること、CAA関連炎症の急性期では血管壁の一部にのみアミロイド沈着が見られる血管が増加傾向であることを明らかにした。それらの結果より、CAA関連炎症における血管壁に沈着したAβは、主にintramural perirterial drainage経路や集簇した貪食細胞によって除去されることが示された。
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