本研究では,逆行性ウイルスベクターを用いて投射路特異的に標識したニューロンのシナプスを,2光子励起顕微鏡を用いたin vivoイメージングにより追跡し,運動学習およびパーキンソン病進行に付随する,投射路特異的な回路再編のシナプス機構の解明を試みた.そのためのツール開発として,高力価の逆行性レンチウイルスベクターを用いたマウスIT/PTニューロンの標識・可視化解析法を独自に開発し,主に大脳皮質第5層に分布し,共に同側線条体に投射するIT/PTニューロンを,対側線条体および橋から,逆行性に蛍光標識した.また,予備検討としてパーキンソン病前駆症状モデルマウスの,1次運動野第5層錐体神経細胞のニューロンを非特異的に標識し,運動症状発症前より樹状突起スパインの不安定性に伴うスパインの減少を発見した.
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