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2020 年度 実施状況報告書

運動ニューロン病の末梢神経からのCCR2陽性細胞によるミスフォールド蛋白除去療法

研究課題

研究課題/領域番号 19K07963
研究機関九州大学

研究代表者

山崎 亮  九州大学, 医学研究院, 准教授 (10467946)

研究分担者 山口 浩雄  九州大学, 大学病院, 特任講師 (00701830)
藤井 敬之  九州大学, 医学研究院, 助教 (30822481)
立石 貴久  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (50423546)
緒方 英紀  九州大学, 大学病院, 助教 (90778838)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード筋萎縮性側索硬化症 / 変異SOD1トランスジェニックマウス / マクロファージ / ケモカイン
研究実績の概要

筋萎縮性側索硬化症モデルマウス(変異SOD1トランスジェニックマウス)では中枢神経にミスフォールド蛋白(変異SOD1蛋白)が蓄積することによる神経細胞機能障害が原因とされるが、これらのミスフォールド蛋白除去機構は不明であった。私達は、病態早期から中枢神経のみならず末梢神経にもミスフォールド蛋白が蓄積することに着目し、末梢神経に浸潤する大量のマクロファージがミスフォールド蛋白蓄積にどのように作用するか検討した。
このミスフォールド蛋白は、疾患早期から神経細胞軸索に蓄積していた。疾患進行に比例して末梢神経鞘にマクロファージが浸潤し、さまざまな物質を貪食していた。これらの物質は、破壊された神経軸索、髄鞘とともに、ミスフォールド蛋白もふくまれていた。これらの結果から、浸潤したマクロファージは組織障害性に働く可能性を考えた。次に、これらのマクロファージ浸潤をブロックするため、細胞遊走因子受容体CCR2欠損マウスとモデルマウスを交配し、臨床経過を比較した。その結果、予想に反して疾患進行は促進した。末梢神経へのマクロファージ浸潤は抑制されていたが、ミスフォールド蛋白蓄積は促進し、脊髄においても神経細胞脱落が進行していた。これらの結果から、末梢神経に浸潤するマクロファージは神経保護的に作用することが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

筋萎縮性側索硬化症モデルマウス末梢神経に浸潤するマクロファージが神経保護的に働くことが明らかとなった。現在、末梢神経浸潤マクロファージの詳細な機能解析と、これらのマクロファージ浸潤抑制治療を検討中である。

今後の研究の推進方策

末梢神経浸潤マクロファージが神経保護的に働くことから、これらのマクロファージ浸潤促進と貪食機能促進治療を開発する。そのためには、末梢血から神経鞘への浸潤促進のための血液神経バリアを通過しやすくすること、末梢神経からのケモカイン分泌促進、CD33機能抑制による貪食機能亢進を検討している。

次年度使用額が生じた理由

研究に使用する試薬や物品を節約し、使用動物数などを極力節減したため。現在は当該研究の論文執筆(リビジョン中)のための再実験、追加実験に使用する予定。

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公開日: 2021-12-27  

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