遠隔虚血コンディショニング(RIC)は心臓と脳の保護戦略として注目されているがメカニズムは不明である。我々は RICが血管内皮機能を介して脳虚血時の側副血行路を発達させ、早期虚血病変と梗塞体積の両方を軽減すると想定し検証した。C57BL/6マウスを用いて左中大脳動脈(MCA)を露出させ永久閉塞した。RICは早期虚血性病変を縮小し脳軟膜動脈吻合血管径を拡大、梗塞体積を縮小した。 RICは、eNOSとAktのリン酸化レベルを亢進させた。 NOS阻害薬はRICによる早期虚血病変と梗塞体積縮小効果を消失させた。以上よりRICは、脳虚血時の側副血行を発達、早期虚血病変、梗塞体積を縮小する効果が示された。
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