近年、分子標的治療技術が飛躍的に進歩しつつある。他方ある特定のシグナル伝達物質を標的としての治療は、効果的治療効果が得られているものの一部に致死 的な副作用を起こすことも事実である。こうした実情を踏まえ、将来のトランスレーショナル・リサーチを促進するツールとして、分子標的の基礎臨床的意義、 若しくは病態的意義を見直し、再構築する研究として、本研究を積極的に推進したい。本研究は、ヒト由来Blood-Brain Barrier構成細胞株のマルチ培養システ ム(当科で樹立・特許申請済み)を導入した生理的流速負荷型In Vitro系Blood-Brain Barrierモデルを用いて、難治性自己免疫性中枢神経疾患の患者において病 的自己反応性白血球の炎症細胞浸潤を亢進させる脳血管内皮細胞の標的膜蛋白抗原および自己抗体を同定し、疾患特異的な炎症細胞浸潤の分子機構の解明するこ とを目的とする
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