HTLV-1関連脊髄症(HAM)はHTLV-1感染細胞に起因する神経難病で、その治療に用いられるステロイドの効果は限定的である。最近われわれはHAM患者に対する抗CCR4抗体療法が、HTLV-1感染細胞を破壊することで、脊髄炎症および臨床症状の改善をもたらす可能性を示したが、その一方で感染細胞を減らす効果が不十分な例が存在することがわかってきた。本研究により、抗CCR4抗体が感染細胞を十分に破壊できない理由には大きく2パターンあることを見出した。1つがCCR4に対する中和抗体が存在する場合、もう1つがCCR4を発現していないウイルス感染細胞が増加する場合の2つであった。
|