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2021 年度 実施状況報告書

ヒト末梢神経のin vitro髄鞘形成モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K07986
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

菅 三佳 (岸本三佳)  国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, 開発研究員 (00340448)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード末梢神経 / シュワン細胞
研究実績の概要

末梢神経の髄鞘形成障害や脱髄疾患の病態研究ならびに創薬研究においては、ヒトの末梢神経系の有髄神経のin vitroモデルの開発が期待されている。しかしながら、ヒトの末梢神経において軸索の髄鞘(ミエリン)を構成するシュワン細胞の成熟化と髄鞘形成を制御する分子機構は解明されていないため、未だ開発には至っていない。そこで、本研究ではヒトiPS細胞を含むヒト多能性幹細胞からシュワン細胞を作製し、その成熟化と髄鞘形成を制御する分子機構を解明し、ヒトの末梢神経の髄鞘形成障害や脱髄疾患の病態解析と治療法開発に資するヒト末梢神経の有髄神経in vitroモデルを開発することを目指す。
ヒトiPS細胞からシュワン細胞をin vitroで高効率に誘導する方法を確立するため、これまでに、ヒトiPS細胞に直接分化転換を誘因するマスター遺伝子を選定し、そのマスター遺伝子の発現を人工的に制御するコンストラクトを作製し、健常者由来のヒトiPS細胞に導入した。この誘導系を用いることにより、ヒトiPS細胞からシュワン細胞へ誘導した。一方、末梢神経の髄鞘形成障害や脱髄疾患の病態をin vitroで再現するため、これらの病態が特徴的な遺伝子疾患患者から作製した疾患特異的iPS細胞を培養し、遺伝子変異解析を含む基本的な特性解析をおこなった。この疾患特異的iPS細胞からも上記方法を用いてシュワン細胞を誘導した。
誘導したシュワン細胞と神経細胞との共培養において非侵襲的に髄鞘形成を解析するため、蛍光蛋白質を発現する細胞を用いて目的細胞を誘導する系を作製した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

疾患特異的iPS細胞から誘導したシュワン細胞の解析が予定より遅れているため。

今後の研究の推進方策

確立した誘導系の汎用性と再現性を検証したのち、ヒトiPS細胞由来シュワン細胞とヒトiPS細胞由来末梢神経を共培養することにより末梢神経の髄鞘形成を誘導する。上記で確立した方法により誘導したシュワン細胞と末梢神経を共培養し、髄鞘形成を誘導する。髄鞘の形成は、髄鞘などのマーカー発現と形態の解析により確認する。
末梢神経脱髄疾患の患者由来のiPS細胞を用いて末梢神経の髄鞘形成を誘導し、病態をin vitroで再現し、髄鞘形成と脱髄を制御する分子機構を解析する。患者由来iPS細胞株から上記で開発した方法により末梢有髄神経を作製した場合に、髄鞘疾患の病態である髄鞘形成障害や脱髄が再現されるかを検証する。疾患の病態が再現された場合には、シュワン細胞の成熟化(髄鞘形成)、脱髄(髄鞘障害)の起こる各プロセスで経時的に、シュワン細胞と末梢神経の形態解析および生化学的解析、分子生物学的解析、機能解析を行い、疾患-健常者間で比較し、髄鞘形成・脱髄を制御する分子機構を解析する。

次年度使用額が生じた理由

2021年度には実施できなかった本研究課題の実験解析を2022年度に実施するため、補助事業期間の延長を申請した。

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公開日: 2022-12-28  

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