研究課題
基盤研究(C)
喜び-悲しみの7段階の顔表情刺激を用いた情動バイアス課題、および6表情に関して8段階の強度の刺激画像を用いた情動認識課題を作成し、これらの課題成績との関連を高抑うつ者と低抑うつ者で比較検討した。その結果、高抑うつ群は低抑うつ群と比較して、喜びの表情を認識する能力が有意に低下していることが明らかになり、喜びの表情を用いた表情認識課題による情動認知機能の客観的測定が、うつ状態の評価に有用である可能性が示唆された。
医歯薬学
うつ病は異種性が高い症候群であることが知られており、双極性障害の鑑別も含めて、うつ状態の客観的鑑別診断法の開発が必要とされている。先行研究より、表情認識と関連した脳機能がうつ病と双極性障害の病態と関連することが示唆されている。本研究により、喜びの表情を用いた表情認識課題による情動認知機能の客観的測定がうつ状態の評価に有用であるという予備的な結果を得ることができた。