研究課題/領域番号 |
19K08021
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
倉田 明子 広島大学, 病院(医), 助教 (30838769)
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研究分担者 |
吉野 敦雄 広島大学, 医系科学研究科(医), 特任講師 (90633727) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | がんサバイバー / 慢性疼痛 / 予期不安 |
研究実績の概要 |
がんサバイバーの慢性疼痛に対する認知行動療法の施行と神経科学的基盤の解明に関して、臨床研究倫理委員会に提出するための実施計画書の準備を進めた。 がんサバイバーの痛みの状況を把握すべく、当院精神科外来、乳腺外来、麻酔科ペインクリニック外来、緩和ケア外来と連携して乳がんサバイバーで疼痛を訴える患者を対象に、主観的な疼痛感覚の評価に加え、鎮痛剤の使用状況や受診頻度、心理社会的要因に関する予備的な調査を行った。その結果、慢性疼痛を有する患者では、再発不安のほか、経済的問題や就労の問題、家庭内の不和や対人関係の問題など、心理社会的要因が多くみられることが示唆された。また、再発不安から疼痛が悪化すると頻回の受診や検査の要求が見られ、疼痛症状とがんの悪化を結び付ける傾向があることが示唆された。 慢性疼痛と認知行動療法に関する文献レビューのほか、がん患者の抑うつ・不安が認知機能に与える影響や、がん患者の不安・抑うつに対する認知行動療法の効果に関して文献レビューを行い、がん患者の慢性疼痛と認知機能、および、がん患者の不安・抑うつと認知機能、さらにそれらと認知行動療法の効果など、それぞれの接点を検討した。 さらに、慢性疼痛に対する認知行動療法実施について、共同研究者であった吉野が留学したため、倉田で認知行動療法を行えるよう、認知行動療法の実施についての文献レビューや見学を行い、手順書を作成した。 今後の慢性疼痛患者における情動疼痛課題時のfMRIとの比較に用いるため、これまで行っていた健常者の安静時fMRIデータの蓄積について、継続してfMRIを撮影してデータ収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予備的調査、文献レビュー、手順書の作成は行ったものの、倫理委員会への申請・承認が未完了で、実際の認知行動療法へのリクルートやfMRI撮影には至っておらず、進捗は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
倫理委員会の承認が得られれば、乳がんサバイバーの慢性疼痛患者のリクルートおよび認知行動療法による介入、fMRIの撮像は速やかに開始できる準備が整った。今後は、早急に実施計画書の最終調整を行い、臨床研究倫理委員会への申請を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画が解析をするに至らず、解析に要する機器やソフトの購入を行わなかった。次年度にはこれらの機器やソフトを購入し解析に至れるよう研究を進める予定である。
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