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2020 年度 実施状況報告書

認知症異常行動のタウ病理回路に伴うデフォルトモード・機能的ネットワーク障害の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K08028
研究機関日本医科大学

研究代表者

肥田 道彦  日本医科大学, 医学部, 准教授 (60434130)

研究分担者 大久保 善朗  日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (20213663)
舘野 周  日本医科大学, 医学部, 准教授 (50297917)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード情動認知ネットワーク / タウ病理回路 / タウイメージング / デフォルトモード・ネットワーク / 機能的MRI / 機能的結合 / 認知症 / ポジトロンCT
研究実績の概要

タウ蛋白の脳内集積で特徴づけられるタウオパチーにより認知症の異常行動が出現することは多く、認知症前駆期や認知症の精神病症状に関する研究からも、タウ蛋白による神経障害が幻覚・妄想や異常行動の出現に関与する可能性が指摘されている。このようなタウオパチーは、ポジトロン断層撮像法(PET)を用いたタウイメージングによって評価が可能であるが、認知機能に関わる神経回路の障害については、機能的MRIなどの認知機能関連脳部位を用いて評価が必要である。近年、機能的MRIを用いて安静時に自己の内省をしている際の脳内ネットワーク(デフォルトモード・ネットワーク)の障害が認知症の記銘力障害だけでな
く認知症の異常行動にも関連していることが報告されている。しかし、タウイメージングと機能的MRIによる認知機能関連画像の双方を重ね合わせ、タウ病理回路とDMNの関連部位を評価した報告はない。本研究では、ポジトロン断層撮像法(PET)特に、タウイメージングと安静時・機能的核磁気共鳴画像(rsfMRI)を行い、タウ病理回路と意識や注意、視聴覚、言語・情動認識などの機能的認知ネットワークとの関連を検証することで、認知症の異常行動のメカニズムを明らかにすることを目標とした。本年度は、タウイメージングのデータ収集とタウイメージングの解析、安静時機能的MRIの画像解析を並行して行った。今後は、これらの結果を融合させ、個々の認知症患者の問題行動の神経基盤を明らかにしたいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は、個々のタウイメージングのデータから脳内集積のあるものについて、個々の集積分布の検証を行うことができた。安静時機能的MRIの解析方法を行い、健常人の機能的MRIと個々の認知症の機能的MRIのデータの比較中であるが、解析の前処理の段階で時間がかかり、分析に時間を要しており、進捗はやや遅れているものと考えている。

今後の研究の推進方策

個別のタウイメージングの解析結果からタウ蓄積の脳領域を特定する。そのうえで、関心領域の機能的結合がどのように変化するかを機能的MRIの健常者群と個々の認知症症例の画像データを比較することで検証する。可能なデータについては、死後脳の病理データとの比較によりタウ病理の検証を行う。これらを統合的に解析することによって分子イメージングと認知機能イメージング双方の視点から認知症の行動異常に関する脳病態を理解していきたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

安静時機能的MRIの撮像や解析が順調に進まず、研究が次年度に持ち越しとなった。本年度は、分子イメージングと機能的MRIの融合解析を中心に必要な物品の購入などに研究費を使用したいと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Bupropion increases cerebral activation in auditory affective processing: A randomized controlled fMRI study2021

    • 著者名/発表者名
      Hama Tomoko、Koeda Michihiko、Ikeda Yumiko、Tateno Amane、Kawara Tokuhiro、Suzuki Hidenori、Okubo Yoshiro
    • 雑誌名

      Neuroscience Letters

      巻: 749 ページ: 135716~135716

    • DOI

      10.1016/j.neulet.2021.135716

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 認知症行動異常のタウ病理回路に伴うデフォルトモード・機能的ネットワーク障害の解明2021

    • 著者名/発表者名
      肥田道彦, 舘野周, 大久保善朗
    • 雑誌名

      細胞

      巻: 53 ページ: 64-67

  • [雑誌論文] Effects of anodal-tDCS on implicit motor learning and language-related brain function: An fMRI study2021

    • 著者名/発表者名
      Nakashima, S., Koeda, M., Ikeda, Y., Hama, T., Funayama, T., Akiyama, T., Arakawa, R., Tateno, A., Suzuki, H., Okubo, Y.
    • 雑誌名

      Psychiatry Clin Neurosci

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1111/pcn.13208

  • [雑誌論文] Modafinil decreased thalamic activation in auditory emotional processing: A randomized controlled functional magnetic resonance imaging study2021

    • 著者名/発表者名
      Hama, T., Koeda, M., Ikeda, Y., Tateno, A., Kawara, T., Suzuki, H., Okubo, Y.
    • 雑誌名

      J Nippon Med Sch

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1272/jnms.JNMS.2021_88-607

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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