研究課題/領域番号 |
19K08029
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
舘野 周 日本医科大学, 医学部, 准教授 (50297917)
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研究分担者 |
大久保 善朗 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (20213663)
荒川 亮介 日本医科大学, 医学部, 准教授 (40350095)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アミロイド関連うつ病 / タウ蛋白 / セロトニン1B受容体 / ポジトロンエミッショントモグラフィー |
研究実績の概要 |
本研究の研究参加基準である、50歳以上でICD-10でうつ病エピソードの診断基準を満たし、かつアミロイドPETにてアルツハイマー病と同程度にアミロイドベータ集積が確認された被検者2名(73歳代女性 65歳男性)を研究に登録した。組み入れのための検査にていずれの症例も、除外基準である検査時頭部MRIにて脳器質性疾患、変性疾患を示唆する所見を認めず、また認知症の診断基準を見たさなかった。タウ蛋白集積の分布や程度を調べるために[18F]-PM-PBB3を用いたポジトロンエミッショントモグラフィー(PET)検査を行った。 当初は本年度解析を行ったものを対象として予備解析を行う予定であったが、コロナ感染症に対する緊急事態宣言のため、検査実施枠の制限、研究参加候補者の来院が難しくなったこともあり、本年度検査完了者は2名と当初予定を下回ってしまった。このため、個々の症例の[18F]-PM-PBB3によるタウ蛋白PETの結果を検討するに留めた。その結果、一部の症例においてタウ蛋白が海馬や脳幹部に集積していることが明らかになった。 本研究の目標は1.アミロイド関連うつ病患者における5-HT1B受容体の分布や密度に特徴があるか、2.アミロイド関連うつ病患者群におけるタウ蛋白集積の分布や程度に特徴があるか、3.アミロイドカナーンうつ病患者群において5-HT1B受容体とタウ蛋白集積が分布や密度・程度の点で関連があるかについて、検討することであるが、いずれの点においても本年度の研究成果からはアミロイド関連うつ病群としての検討をすることが出来なかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ感染症拡大の影響で、研究参加候補者の受診およびPET検査実施機関におけるPET検査枠が大幅に制限されたため、被験者リクルートとPET検査実施回数が当初予定を大幅に下回っている。
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今後の研究の推進方策 |
PET検査実施機関におけるPET検査枠は東京都における緊急事態宣言の解除により、従来の件数に戻りつつある。研究参加候補者のリストアップを進めており、前年度リストアップした候補者と合わせて順次同意取得を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度未達成の目標症例と合わせて本年度7名の被験者に対してタウ蛋白PET7回、セロトニン1B受容体PET7回の実施を予定していたが、コロナ感染症の拡大に対する緊急事態宣言発令などの影響によりPET検査実施施設の検査枠が長期間閉鎖されたこと、研究参加候補者の来院が減少し、参加同意取得実施件数が大幅に減ったことにより、本年度はタウ蛋白PET2回の実施に留まったため、次年度使用額が生じた。次年度は当初予定の5名に加えて本年度までに未達成であった被験者数を上乗せして検査実施予定である。
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