本研究ではうつ病の発症と維持に大きな役割を果たすことが示唆されているネガティブな情報の処理を偏重してしまうバイアス(ネガティブバイアス)の脳神経基 盤について「信念の更新」という側面に着目することで既存の脳内モデルの拡張・修正を行いうつ病の病態解明への貢献を目指した。具体的にはうつ病患者・健常対照者を対象に信念更新課題を用いたfMRI(機能的磁気共鳴画像法)実験を中心としたMRI実験を行いマルチモーダルに信念更新のネガティブバイアスに関わる神経病態的な特徴を明らかにすることを目標とした。令和3年度は脳病態統合イメージングセンター・先進脳画像研究部との共同研究体制の下で研究部のWebサイトだけでなく参加者の募集・紹介を専門にするNPO法人などの助けも借りて参加者募集を行いうつ病患者および健常対照者のデータ取得を引き続き行っていく予定であったが、研究代表者(蓬田)が7月で所属機関(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター)を退職し一般企業に異動することとなり研究継続が困難となったため廃止することとなった。
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