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2020 年度 実施状況報告書

3歳児における発達障害の疫学研究および早期発見のための新たな診断ツールの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K08035
研究機関弘前大学

研究代表者

三上 珠希  弘前大学, 医学研究科, 特任助教 (40400501)

研究分担者 斉藤 まなぶ  弘前大学, 医学研究科, 准教授 (40568846)
中村 和彦  弘前大学, 医学研究科, 教授 (80263911)
大里 絢子  弘前大学, 医学研究科, 助教 (80597162)
新川 広樹  弘前大学, 医学研究科, 特任助教 (10848295)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード3歳児健診 / 5歳児健診 / 発達障害 / 自閉スペクトラム症
研究実績の概要

3歳児健診における発達障害の早期発見のために新たなスクリーニングツールの開発を目指し、2017年に施行したプレテスト(対象123人)にて予備的に日本版Social Responsiveness Scale Second Edition (保護者記入)(SRS-2)を>43.5点をカットオフとして、2018年度より弘前市の3歳児健診対象児に発達スクリーニングを導入した。以降も弘前市の健診の場で、通常の3歳児健診に加え①SRS-2 ②SDQ子どもの強さと困難さアンケート(SDQ)、③短縮版SP感覚プロファイル(SSP)を実施継続し、このプレテストでの検証で定めた基準であるSRS-2が43.5点以上を示した児を精密検査・診断対象として抽出している。2019年度は上記3つ検査の点数分布を調べて、実際の3歳児のコミュニテイサンプルにおいてどのような特徴を示すか検討した。2020年度は、さらにSRS-2の短縮化について統計解析を行い、2021年度からその実用化を検証中である。対象人数は年間約1200人前後である。
2020年の弘前市5歳児健診では2018年に3歳児健診で発達障害の診断を受けた子たちが二次検査の対象となっており、5歳児健診で再び、知能検査・運動能力検査・社会性の検査を施行し、弘前市の3歳児健診における発達障害発見のための診断方法の妥当性を検証している。2020年以降の5歳児健診では、すでに3歳児健診でSRS-2の検査を施行されているので、妥当性を検証できる件数の増加が今後も期待される。
また、5歳児健診では自閉スペクトラム症の診断を3歳児健診で受けた子たちの知的および社会性の成長について各種の検査を施行して評価を行う。子どもたちの発達促進に有効な因子についての検討も行っていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

3歳児のデータは延べ1000人以上蓄積した。カルテは順調にデーターベース化できている。
一次スクリーニングアンケートのWeb化については、同市の5歳児健診の一次スクリーニングを2019年度秋から導入し、紙アンケートとの一致率を確認し、遜色なかった。3歳児健診のWeb化も5歳児健診のWeb化により準備が整いつつある。
3歳児発達検査にて自閉スペクトラム症や言語発達遅延などの診断がついた児は医師が療育計画を作成し、市に言語訓練や療育の開始を提案しタイミングよく子ども達が支援を受ける事が出来ている。
2019年の1年間は実際の3歳児健診に参加し、実際の場での母児の観察、必要のある保護者との発達相談を行った。また健診時の保健師の動向を把握しつつ現場で活用しやすい検査について検討を加えた。2021年度からはコロナ感染の社会的な影響も検討するための項目とICT機器利用についての質問も加えている。

今後の研究の推進方策

さらなるデータ蓄積がなされている。さらに2017年以降、3歳児健診で発達障害の診断を受けた子たちが2019年以降には5歳児発達健診の時の二次検査にて再評価を受ける機会を得ている。5歳児発達健診での診断や、療育の有無による児の状況について検討を加えていく予定である。また、親支援についてもサポート体制を強化していくことを検討している。

次年度使用額が生じた理由

コロナ感染流行により、市の3歳児健診の一時的な中止が見られたこと。またコロナ感染流行により学会への移動がなかった。残額については、3歳児健診にて発達障害と診断された保護者指導に使用を検討している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 3歳児健診における簡便かつ鋭敏な神経発達症のスクリーニング法の探索2020

    • 著者名/発表者名
      大里絢子
    • 学会等名
      第61回日本児童青年精神医学会総会

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公開日: 2021-12-27  

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