研究課題/領域番号 |
19K08042
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
栗田 大輔 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (80585307)
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研究分担者 |
横倉 正倫 浜松医科大学, 医学部, 助教 (00529399)
岩渕 俊樹 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (20711518)
桑原 斉 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (50456117)
山末 英典 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80436493)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 神経性やせ症 / anorexia nervosa / glucose metabolism / default mode network |
研究実績の概要 |
■研究目的 ANの精神病理は身体状態の回復より約1年遅れて回復することが知られているが、ANにおける身体状態の回復からどのような脳内分子生物学的機構を経て精神病理の回復に至るのかは明らかになっていない。そこで本研究では、拒食により低体重・低栄養状態を経て発症するANが、身体状態の回復後に脳内のどのような分子機構の変化を経て精神病理の回復をもたらすのかを明らかにすることを目的とする。 ■研究実施計画 患者群は浜松医科大学附属病院の入院患者で、DSM-5で神経性やせ症と診断される18~40歳の女性20名。健常対照群は患者群と年齢をマッチングし、本人および一親等以内に摂食障害を含む精神・神経疾患の罹患歴がない女性20名。患者は入院後2週間以内 (T0)と、BMI 16を超えた体重回復期(T1)、体重回復1年後(T2)にそれぞれ症状評価、心理検査、脳画像の撮像を受け、健常者(HC)も同様の症状評価および検査を同時点で受ける。症状評価および心理検査は(1)EDI-2、(2)BITE、(3)BDI、(4)STAI、(5)WAISIII。画像検査として(1)structural MRI, (2)rs-fMRIを撮像, (3)18F-FDG PETを行う。 ■研究実績 初年度は被験者のリクルートに向けて画像検査の撮像手法および解析方法について詳細な検討を重ねた。また被験者の研究へのリクルート体制を構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
画像検査はPETとMRIの2つのモダリティを使用するが、FDG-PETの研究用のトレーサーの調達、PETとMRIの検査日程について施設内の調整等に時間を要したため、患者のリクルート開始が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
初年度末までに患者及び被験者の研究へのリクルート体制を構築が終了したため、次年度(令和2年度)より当初予定していた研究計画に従い患者のリクルート、また並行して健常者のリクルートを開始する。 初年度の被験者リクルートの遅れのために、最終年度(令和3年度)までに目標被験者数である患者群、健常群各20名全員について、体重回復1年後(T2)のフォローアップまで終了できない可能性がある。このため、まずはBMI 16を超えた体重回復期(T1)までのデータを取得、解析することを目標とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度(令和元年度)は画像の撮像方法の確認や、被験者の研究への導入方法について施設内での連絡調整に時間を要した。これに伴い被験者のリクルートが大幅に遅れた。このため、当初の研究計画で予定していた器機利用料や被験者・技師への謝金等の支出が予定より少なくなり、次年度の使用額が生じた。 次年度(令和2年度)は被験者のリクルートが始まり、検査に伴う諸費用が生じることから、次年度以降は当初の予定通りの支出を見込んでいる。
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