研究課題/領域番号 |
19K08051
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
河西 千秋 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50315769)
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研究分担者 |
大塚 耕太郎 岩手医科大学, 医学部, 教授 (00337156)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 自殺予防 / 患者安全 / 医療事故 / メンタルへルス / 心理的危機介入 / 教育 / 多職種協働 / 支援者支援 |
研究実績の概要 |
当該年度に、以下の成果をまとめた。 1)令和3年1月31日に回収した、病院内の自殺事故報告の結果をもとに、日本医療機能評価機構認定病院患者安全推進協議会のホームページ記事、あるいは同協議会の発行する患者安全推進ジャーナルでの公表のための報告書を作成した。 2)新型コロナ感染拡大により、2020年2月以降、中断されたままとなっている、同協議会主催の、「病院内の自殺の予防と事後対応のための研修会」の再開に向けての動きに歩調を合わせ、がん患者の自殺事故予防の取り組みを含む研修プログラム案を策定した。 3)同協議会が2011年に刊行し、世界唯一の病院内の自殺事故の実態と取り組みを著した、「病院内の自殺対策のすすめ方」の10年振りの全面改訂に際して、報告者が同協議会からの依頼により、また、同改訂版を上記2)の研修プログラムのテキストとして活用する目的で目次・執筆内容の策定と執筆者の選定を行った。 1)については、2022年度中期の患者安全推進ジャーナル掲載が内定し、2021年度内に原稿執筆を進めた。2)については、2021年度内に、同協議会とともに研修会開催期日を確定し(2022年8月上旬)、研修会運営準備、プログラム案改訂等の打ち合わせを行った。3)については、2021年度内に執筆原稿を収集し、編集者と刊行準備を進めた(2022年8月刊行予定)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染拡大により、調査紙調査が当初予定よりも不調となったことが影響し、成果公表を当初の予定通りに行うことができなかった。また、同じく、成果を活用しての対面の医療者を対処としたがん患者の自殺事故予防研修会の開催が不可能であった。これらのことから、研修プログラムは策定したものの、そのプログラム評価を年度内に実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究成果を踏まえての研修プログラムの策定と、研修のための教育資材(書籍)の刊行は進捗している。研修会は令和4年度中に実施される予定であり、書籍も令和4年度中に刊行予定である。研修プログラムを複数回実施し、その有効性の評価を行い、その有効性を確認したうえでプログラム・教育資材の普及を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19感染拡大により、研究分担者、研究協力者等との研究にかかる打ち合わせをまったく行うことができず、また、研究を進めていくうえで必要な学術会議の参加による情報収集も不可能であり、旅費等の出費が無かった。研究成果に基づく研修プログラム開発、教育資材開発については、着手はできたものの当初予定よりも遅延しており、かかる消耗品等の経費執行は予定した額よりも少額となり、種々打ち合わせ、及び研修プログラム実践のための旅費・会議費・消耗費経費も大部分が執行できなかった。 次年度は、オンライン会議と対面会議を組み合わせた研究打ち合わせが必要であり、対面研修、ないしはハイブリッド研修開催準備と実践、教材の刊行、e-ラーニングのためのコンテンツ作成を軸に研究費の使用計画を立てるとともに、研究成果公表のための消耗品費や英文添削費用、論文投稿料に研究費を使用する。
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