研究課題/領域番号 |
19K08055
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
岩波 明 昭和大学, 医学部, 教授 (80276518)
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研究分担者 |
高塩 理 昭和大学, 医学部, 准教授 (00384256)
岡島 由佳 昭和大学, 医学部, 准教授 (50317525)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ASD / ADHD / アイトラッカー / ADOS / 表情認知 / マインドワンダリング |
研究実績の概要 |
・昭和大学附属烏山病院および昭和大学病院附属東病院に外来通院中の50歳以下のADHDおよびASDの当事者を対象に、動画視聴時の視線計測を遂行している。動画刺激としては、古典的な映画から2人の人物の対話シーンを抽出して編集し、被験者にディスプレー上に提示する。2つの映画の対話シーンを1シーン60秒程度、各4か所抽出する。合計8カットのビデオクリップを、数秒の間隔を置き連続して被験者に提示し動画刺激として用いる。各々の映像の中で、特に人物が大きく映し出されている場面を3~5秒ずつ、合計約30秒間抽出し、画面上を①目、②口、③体(目と口は除く)、④背景の4箇所に分類し、各々の範囲に視線がある時間を計測している。これまでに解析可能な症例は、ADHD15例、ASD25例となった。今後さらに症例を増やしていく予定である。現在のところ、ASDについては、健常者と比較して、「目」を見る時間が有意に短いという所見が得られている。 ・ASDの診断ツールであるADOS-2について、症例の蓄積を行っている。ADOS―2は施行に約1時間あまり必要な構造化面接であり、世界的な診断のための標準ツールとなっている。現在までADHD50例、ASD20例について施行を行ない、ADHDとASDの鑑別診断について重要な所見が得られるかどうか検討を行っている。 ・ADHDについてしばしば認められる「マインドワンダリング」の症状について、標準的な評価スケールを用いて評価を行っている。現在まで約50例のADHDについて検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動画刺激の表情認知における視線計測について、ほぼ予定通りに症例を蓄積することができている。関連する課題である、ADOS-2の施行、マインドワンダリングに評価についても、進行ができている。現在のところ、予期しない問題などはみられていない。
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今後の研究の推進方策 |
動画刺激の表情認知における視線計測については、さらに症例を蓄積し、ADHDとASDにおける所見を比較し、両者を鑑別可能な指標を探索する。さらにAQ、CAARS、ADOS-2などの精神症状との関連についても、検討を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
謝金および旅費が計画よりも、使用額が少なかった。次年度については被験者を増やすことで謝金を使用し、学会発表のための旅費として使用する予定である。
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