研究課題
【目的】白人を対象とした大規模な統合失調症患者・両親トリオの全エクソーム解析により、de novo変異がその発症に重要な役割を果たすことが明らかにされている。今回われわれは、日本人において統合失調症の発症に大きな影響力をもつ可能性があるde novo変異を同定することを目的として、患者・両親60家系の全エクソーム解析を行った。【方法】統合失調症患者・両親60家系(6家系は罹患同胞対)を対象として全エクソーム解析を実施した。検出された変異について、de novoかつ機能的と推定される候補リスク変異を絞りこみ、サンガーシーケンスにより存在を確認した。なお、本研究は新潟大学遺伝子倫理審査委員会により承認されており、対象者からは書面で研究参加の同意を得た。【結果】256個の稀なde novo変異が検出され、機能的と推定される候補リスク変異83個(一塩基変異63個、挿入欠失35個)を選択した。このうち一塩基変異55個(87%)、挿入欠失7個(35%)がサンガーシーケンスによりde novoと確認された。ナンセンス変異1個、フレームシフト変異5個、スプライス部位変異2個、ミスセンス変異47個、その他6個であった。【考察】患者・両親トリオ60家系の全エクソーム解析により、統合失調症の発症に大きな影響力をもつ可能性がある62個のde novo変異を同定した。
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Research in Autism Spectrum Disorders
巻: 82 ページ: 101729
10.1016/j.rasd.2021.101729