研究課題
基盤研究(C)
統合失調症患者の平均余命が一般人口よりも短いことが広く知られている。我々はその要因の一つとして低体重という身体的問題に着目し、抗精神病薬の多剤併用や統合失調症患者の残存歯数が影響していると仮説を立てた。入院統合失調症患者の残存歯数と抗精神病薬数がBMIに与える影響について検討したところ、残存歯数が少ないほど、そして内服している抗精神病薬の数が多いほどBMIが低くなっていた。
精神神経薬理
日本の入院統合失調症患者において低体重・低栄養の割合が高いという事実を確認したのは、我々の報告が初めてである(Sugai et al. 2015)。同集団を対象として身体リスク軽減を目指した治療法を模索することは極めて重要である。本研究により、統合失調症患者における低体重・低栄養ひいては死亡リスクの増大につながる要因を確認できれば、患者やその家族、医療従事者の問題意識を高め、その予防策の検討・実施につながると考えられ学術的、社会的な意義も高い。