本研究は恐怖消去抵抗性を凌駕する新規治療薬開発の基盤を構築することを目的としている。成果として、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPARγ)の作動薬であるロシグリタゾンが雌マウスの恐怖消去抵抗性を改善することや免疫抑制剤であるデキサメタゾン(DEX)が雌マウスの恐怖消去記憶を安定化させることを見出した。加えて、恐怖消去抵抗性が背側海馬内免疫活性に起因するという我々の仮説を支持する成果が得られた。さらに、恐怖消去に対して腹側海馬内TrkBが雌雄で真逆の役割を担う可能性が得られ、また、内在性CBである2-AGの恐怖記憶に対する役割にも性差があることがわかった。
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