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2022 年度 実施状況報告書

日本人統合失調症患者の再発に関する大規模前向き観察研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K08082
研究機関藤田医科大学

研究代表者

岸 太郎  藤田医科大学, 医学部, 准教授 (40536801)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード非定型抗精神病薬の持効性注射薬
研究実績の概要

維持期統合失調症を対象とした無作為割付試験を包括したメタ解析において、経口抗精神病薬より抗精神病薬持効性注射薬の方が再発を予防できるという決定的なエビデンスが発表された。しかし、日本は他の国と比べ抗精神病薬持効性注射薬の使用率が低い。その原因として、日本の医師は抗精神病薬持効性注射薬の安全性に対して疑問を抱き、その結果、抗精神病薬持効性注射薬を患者に勧めていない可能性がある。そこで、抗精神病薬の重篤な副作用の一つである悪性症候群に着目した系統的レビューを行った。コホート研究によると、抗精神病薬持効性注射薬は経口薬と比較し、悪性症候群の発症頻度に差はないようであった。また、悪性症候群を発症した患者を対象とした観察研究によると、抗精神病薬持効性注射薬使用群と経口抗精神病薬使用群との間で重症度や死亡率にも差がないようであった。このように、抗精神病薬持効性注射薬と経口抗精神病薬の間に、悪性症候群の発症、および終章かとの関連は認められないであろうと考察された。また、当院で行ったカルテ調査においても、重篤な有害事象により抗精神病薬持効性注射薬を中止した患者はいなかった。また、痛みを伴う治療薬であるが、痛みが原因で治療を中断していた患者はごくわずかであった。更に、抗精神病薬持効性注射薬で副作用が出た患者は、別の抗精神病薬持効性注射薬に置換している傾向を認めた。以上から、抗精神病薬持効性注射薬は経口薬と比べ、有効性で勝り、安全性は同等であることが分かった。日本で抗精神病薬持効性注射薬の使用率が低いのは、医師が患者に勧めていないことが原因かもしれない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

COVID19感染症のため、患者の対面による症状評価を行うことができない状態が続いているが、既報の研究結果をもとに、複数の系統的レビューとメタ解析を行い、あらためエビデンスを創出することができている。

今後の研究の推進方策

今年度も系統的レビューとメタ解析を用いて、持効性注射薬に関するエビデンスを創出していく。

次年度使用額が生じた理由

COVID19感染症のため、患者面接を行うことができなかったので、複数の面接者を雇用しなかったため

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Paliperidone palmitate vs. paliperidone extended-release for the acute treatment of adults with schizophrenia: a systematic review and pairwise and network meta-analysis2022

    • 著者名/発表者名
      Taro Kishi, Kenji Sakuma, Nakao Iwata
    • 雑誌名

      Transl Psychiatry .

      巻: 19 ページ: 1-6

    • DOI

      10.1038/s41398-022-02286-1

    • 査読あり

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公開日: 2023-12-25  

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