本研究では、ω-3多価不飽和脂肪酸を食摂取したマウスのうつ様行動に及ぼす影響について検討した。コントロール餌を摂取したマウスと比較し、ω-3多価不飽和脂肪酸高含有餌(高ω-3餌)を摂取したマウスはうつ様行動が減少した。抗うつ様効果が現れるまでの摂餌期間には性差があった。高ω-3餌摂取することで、腹側被蓋野チロシン水酸化酵素陽性細胞の増加、側坐核におけるドパミン代謝回転亢進を伴い、D1あるいはD2ドパミン受容体ブロッカー側坐核内投与により抗うつ様行動は完全に消失した。これらの結果から、高ω-3餌摂取によるうつ様行動の減少には側坐核-腹側被蓋野ドパミン神経系が関与することが考えられた。
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