研究課題/領域番号 |
19K08087
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪急性期・総合医療センター(臨床研究支援センター) |
研究代表者 |
松永 秀典 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪急性期・総合医療センター(臨床研究支援センター), 精神科, 主任部長 (70603843)
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研究分担者 |
福森 亮雄 大阪薬科大学, 薬学部, 教授 (00788185)
多田 敬典 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 統合加齢神経科学研究部, 室長 (20464993)
田中 惠子 新潟大学, 脳研究所, 非常勤講師 (30217020)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 抗NMDA受容体抗体 / ウサギ網赤血球由来蛋白合成システム / コムギ胚芽由来蛋白合成システム / ラジオリガンドアッセイ / 膜蛋白 |
研究実績の概要 |
本研究の目的とは異なるが、2020年度2月から始まった新型コロナウイルスパンデミックへの対応として、急きょ、ラジオリガンドアッセイを用いて、SARS-CoV-2のヌクレオカプシド蛋白に対する抗体測定系を立ち上げ、2020年7月、および、2021年2月の職員健康診断に合わせて採血を行い、抗体測定を実施した。結果は、それぞれ、1000人中4人、256人中3人で明らかな陽性となり、ほかに少数で軽度高値を認め、それ以外はすべて陰性であった。検体の一部に対して、ELISA法、中和抗体価、および、商業ベースの精密定量抗体測定法(CLIA法)でも測定したところ、軽度高値の結果も含めて良好な相関が得られ、ラジオリガンドアッセイが有用な抗体測定法であることが確認された(研究費は別のものを使用。論文添付)。 しかし、このラジオリガンドアッセイを用いて、新潟大学から供与された抗NMDA受容体抗体陽性サンプル20検体、陰性サンプル15検体に対して、再度測定を試みたが、うまく抗体をとらえることができず、分子量の大きな膜蛋白に対する抗体測定にはさらに工夫が必要と考えられた。 このため、並行して、コムギ胚芽由来の蛋白合成システムを使って抗原作成を試みるために、ヒトNMDA受容体の2つのサブユニット(NR1とNR2A)の遺伝子配列をそれぞれ組み入れたプラスミドを作成した。これを用いて、まずは、蛋白合成システムの製造販売業者に蛋白合成を委託したところ、十分な収量が得られ、今後の検討につながると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
自己抗体の測定に必要な、立体構造を保ったRI標識抗原の作成にまだ成功していない。 コロナ禍の影響が大きい。
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今後の研究の推進方策 |
引きき続きウサギ網赤血球系の蛋白合成システムで適切な抗原の作成を試みるとともに、コムギ胚芽由来の蛋白合成システムを使った抗原の作成、およびそれを使った抗体測定系の開発を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響で研究を進めにくく、また、新型コロナウイルスに対する抗体測定の研究を最優先したため、本研究を十分に進めることができなかった。 次年度で遅れている実験を進め、研究費を使用する予定。
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