研究課題
基盤研究(C)
唾液腺腫瘍のMRIについて畳み込みニューラルネットワークという深層学習を行い、診断、病理と対比することにより、良悪性鑑別モデルを構築することを目指した。深層学習を行うために、T2強調像、Dynamic MRI, 拡散強調像のMRI画像から腫瘍領域を手作業で医師が抽出し、画像前処理を行った。それぞれの撮影単独での学習と、すべてを組み合わせた学習を比較すると、すべてを組み合わせた学習のほうが正診率が高く、頭頸部領域を専門とした放射線科医よりも高い診断能(正診率 87%)を達成することができた。
放射線画像診断
唾液腺腫瘍は稀な腫瘍であり、種類や内部構造が多様のこともあり、良性悪性の鑑別をはじめとした画像診断は難しい。頻度が低く、症例数が少ないため、深層学習を使った評価は今までほとんどされていなかった。本研究では、唾液腺腫瘍のMRIに対し、深層学習を使うことによって、頭頸部領域専門の放射線科医よりも高い正診率を持つモデルを作成した。理論上は腫瘍範囲を設定することができれば利用可能であり、このモデルを用いれば非放射線科、頭頸部領域以外を専門とする放射線科医であっても、正確な診断を行うことが可能になると予想された。