がんへの局所投与に用いる温度応答性の治療用ナノ粒子キャリアを新たに設計、合成した。これに治療用の放射性同位元素であるCu-64と抗がん剤の一種であるDocetaxelを標識または内包することで、小線源治療と化学療法との併用療法が可能な新たな高分子ミセル製剤の開発を進めた。 開発したミセル製剤は体温に応答して凝集することで、注入部位に高い滞留性を示した。また、標識したCu-64を安定に凝集体内部に留める一方、Docetaxelを効率よく放出した。その結果、Cu-64から出るβ線とDocetaxelとの併用療法によって、単剤よりも高い治療奏功性を示すことを明らかにした。
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