研究課題/領域番号 |
19K08117
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
武居 秀行 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 物理工学部, 主任研究員 (20645452)
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研究分担者 |
榮 武二 筑波大学, 医学医療系, 教授 (60162278)
磯辺 智範 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70383643)
渡邉 祐介 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (90582742)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ポリマーゲル線量計 / 陽子線 / 線量測定 |
研究実績の概要 |
本研究の最終年度である2023年度は、ポリマーゲル線量計N-vinylpyrrolidone-based polymer gel (VIPET)を用いて臨床使用を想定した線量分布測定を実施した。 全脳全脊髄照射で用いる放射線治療用の陽子線とX線をVIPETに照射し、それぞれの照射野およびこれらの放射線が重なる部分(つなぎ目)の線量測定精度を評価した。照射後のVIPETはMR画像を撮影し、線量と相関のある横緩和時間の逆数(R2)分布を取得した。 4月に実施した1回目の測定実験では、VIPETを封入したバイアルの側面および底面をガントリ方向に向け、それぞれの設置方法について検討を行った。バイアル側面を照射する方法では底面を照射する方法に比べてバイアル設置精度が高く、特につなぎ目線量の評価においては高い測定精度が得られた。一方、底面を照射する方法ではビームの深さ方向の線量分布も得ることができるため、設置精度の問題を解決できれば有用なツールとなることが示唆された。11月には再度陽子線とX線をVIPETに照射する実験を行い、実際に臨床現場で線量測定に用いられているガフクロミックフィルムとの比較を行った。VIPETのバイアル上でつなぎ目の位置をあらかじめ決定し、その位置に印を付けることで設置精度の向上を図った。照射後にVIPETのMR画像を撮影し、R2分布を取得した。結果をガフクロミックフィルムと比較し、バイアルの側面から設置した場合でおよそ±4%以内で一致した。底面から照射した場合は、精度に改善がみられたものの10%以上の差異があり、専用の固定器具を使用するなど設置に関して検討が必要である。 本研究はVIPETの陽子線およびX線に対する線量応答などの基礎特性を調べ、実際の臨床使用と同様の条件で精度検証を行った。複数の異なる線質が混合した照射場においても十分な精度が得られることを示した。
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