研究課題/領域番号 |
19K08120
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
加藤 克彦 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (10345895)
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研究分担者 |
山本 誠一 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (00290768)
山本 徳則 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (20182636)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 去勢抵抗性前立腺癌 / PET検査 / 転移性骨腫瘍 / 18F-FDG PET/CT / 18F-fluoride PET/CT |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、去勢抵抗性前立腺癌骨転移の患者に対してPET検査を利用することで転移性骨腫瘍の確定診断を行い、治療開始前に正確な去勢抵抗性前立腺癌骨転移のRa-223内用療法の適応を判断し、治療戦略への応用に向けて、予後予測診断を行うことである。F-18 FDG PET、F-18 NaF PET、C-11 choline PET、F-18 FLT PET等を駆使して腫瘍の鑑別診断を進める予定である。本年は去勢抵抗性前立腺癌骨転移に対するRa-223治療をする患者に対して、治療前、治療後にF-18 NaF PET/CT、F-18 FDG PET/CT、骨シンチ/SPECTを施行し、データ収集を集めている。Ra-223治療が施行された15症例でデータを解析した。治療前後にF-18 NaF PET/CT、F-18 FDG PET/CT、骨シンチ/SPECTを施行した。12症例で骨転移の軽減が見られ、3症例で増悪が見られた。骨シンチ/SPECTよりもF-18 NaF PET/CTでより効果的に骨転移の評価が出来た。骨転移の活動性はF-18 FDG PET/CTでより評価できた。今後は去勢抵抗性前立腺癌骨転移のRa-223内用療法の適応に焦点を当てて研究を進めるが、本研究は悪性腫瘍全般の治療効果の予後予測診断につながるものである。多くの悪性腫瘍の治療効果の予後予測診断が確立されれば、適切な検査、治療を効率的に行うことが実現され、患者のQOL向上に寄与すると考えられる。このような予後予測診断を実現することが、本研究によりもたらされる学術的意義である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
PET検査を利用することで転移性骨腫瘍の確定診断を行い、治療開始前に正確な去勢抵抗性前立腺癌骨転移のRa-223内用療法の適応を判断し、治療戦略への応用に向けて、予後予測診断を行うことを進めている。F-18 FDG PET、F-18 NaF PET、C-11 choline PET、F-18 FLT PET等を駆使して腫瘍の鑑別診断を進める予定であるが、本年は去勢抵抗性前立腺癌骨転移に対するRa-223治療をする患者に対して、治療前、治療後にF-18 NaF PET/CT、F-18 FDG PET/CT、骨シンチ/SPECTを施行し、データ収集を集めている。Ra-223治療が施行された15症例でデータを解析した。治療前後にF-18 NaF PET/CT、F-18 FDG PET/CT、骨シンチ/SPECTを施行した。12症例で骨転移の軽減が見られ、3症例で増悪が見られた。骨シンチ/SPECTよりもF-18 NaF PET/CTでより効果的に骨転移の評価が出来た。骨転移の活動性はF-18 FDG PET/CTでより評価できた。PSA値は9症例で増加が見られたが、Ra-223治療による骨転移の軽減は12症例で見られ、F-18 NaF PET/CT、F-18 FDG PET/CT、骨シンチ/SPECTで確認された。現時点までは、去勢抵抗性前立腺癌骨転移症例に対してF-18 NaF PET/CT、F-18 FDG PET/CT、骨シンチ/SPECTを施行しているが、研究計画に書いたF-18 FDG PET、F-18 NaF PET、C-11 choline PET、F-18 FLT PET等を全症例に施行することは大変難しく苦慮している。
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今後の研究の推進方策 |
ディープラーニングの技術応用を試みる。治療効果の予測診断と治療戦略への応用に利用できると推察する。去勢抵抗性前立腺癌骨転移に対するRa-223治療前後に施行されたF-18 NaF PET/CT、F-18 FDG PET/CT、骨シンチ/SPECTに焦点を当てて解析を進める。今後は去勢抵抗性前立腺癌骨転移のRa-223内用療法の適応に焦点を当てて研究を進めるが、本研究は悪性腫瘍全般の治療効果の予後予測診断につながるものである。多くの悪性腫瘍の治療効果の予後予測診断が確立されれば、適切な検査、治療を効率的に行うことが実現され、患者のQOL向上に寄与すると考えられる。このような予後予測診断を実現することが、本研究によりもたらされる学術的意義である。
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