研究課題/領域番号 |
19K08122
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
杜下 淳次 九州大学, 医学研究院, 教授 (40271473)
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研究分担者 |
Yoon Yongsu 九州大学, 医学研究院, 助教 (00816861)
池田 典昭 九州大学, 医学研究院, 教授 (60176097)
奥村 美紀 九州大学, 医学研究院, 助教 (90820671)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 死後CT画像 / 個人識別 / 画像マッチング / 人工知能 |
研究実績の概要 |
医療画像も含めて大量のディジタル画像データを活用する方向にあり、今後の活用に向けて医療画像のクラウド化がなされるのものと予測できる。日本を襲った大規模災害(とくに津波)の発生時には、多数のご遺体に対して身元の特定を行う必要があった。今後も起こる可能性が高いといわれている大地震、津波、大水害、などの天災を想定して、本研究では、法病理学者、放射線画像技術の専門家、研究協力者が協力して、身元不明のご遺体に対して医療X線画像やCT画像を集めてこれを活用し、迅速かつ確実に個人を特定できる手法の検討とアルゴリズムの開発を行った。 1)九州大学病院地区キャンパス内基礎研究B棟に設置されている法医学専用のCT装置1台を使用してCT画像データベースの構築を行える環境を整備し、死後に撮影したCT画像(含むCT位置決め画像)および警察から提供を受けた生前のCT画像の症例を匿名化しDBに加えた。 2)死後CT画像の頭部の撮影体位を生前の撮影体位と合わせるための再現性が高い補正法として、新たにドイツ水平線に合わせる手法の開発を行った。 3)死後のCTの位置決め画像の部位を大まかに3部位(頭頸部、体幹上部の上部、下肢と骨盤を含む部位)に区別するアルゴリズムを開発し、国内で開催の学会で発表した。 4)人工知能を利用し、胸部写真1枚から年齢の推定を行う手法について検討を行った。この手法では、トレーニングに多くの症例が必要なため、あらたに研究協力者から画像データの提供を受ける必要があることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね順調に親展している。 しかし、DBを充実させることと、死後画像では軟部組織の変化があるため変化の少ない骨画像を用いる手法の開発が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
1)胸部X線写真の画像を増やす。 2)死後のCT画像のDBを充実させる。 3)人工知能を利用するアルゴリズムを確立する為に研究協力者から画像データ(匿名化した胸部単純X線画像)の提供を受ける。 4)新しい画像認識のための特徴量を模索し、アルゴリズムの開発を進め個人識別を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費が計画より少なかった(コロナウィルスの影響で海外で開催される会議が延期になったため)
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