研究課題/領域番号 |
19K08125
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
尾方 俊至 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90460576)
|
研究分担者 |
山崎 秀哉 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50301263)
鈴木 弦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80279182)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 陽子線治療 / 肝臓がん / 強度変調放射線治療 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、肝細胞がん患者症例において最先端技術のスキャニング照射法を用いた陽子線治療の線量分布の有用性と問題点を見出し、局所制御向上ならびに有害事象低減のための陽子線治療の質の向上に寄与できる定量的データを提供する。さらに先端医療技術である陽子線治療をより安全かつ有効に用いることができるとともに、医療の質の向上や医療費無駄の削減を目指し、他の部位症例に対しても陽子線治療の選択判断の基準に結びつける。 2019年度の本研究の目的は、陽子線治療の線量分布の有用性の提示であり、様々な腫瘍径(大きな腫瘍ほど陽子線の恩恵を受けると思われる)および占拠部位(末梢型、肝門部型、消化管近接型)にわたる放射線治療計画を網羅的に立案し、X線と陽子線の各正常組織への線量パラメータ(dose volume histogram)(DVH)を比較することにより、陽子線治療の有用性を明らかにすることである。三次元放射線治療計画装置にて、X線による強度変調放射線治療(IMRT)と陽子線治療の線量分布を作成比較した。対象症例は、日本放射線腫瘍学会の陽子線治療統一方針の線量に基づき、末梢型、肝門部型、消化管近接型の肝臓がんを対象とした。肝臓(平均線量など)、消化管(最大線量など)などの線量パラメータを算出し、腫瘍径ならびに占拠部位依存性について定量的に解析を行った。陽子線治療では、X線によるIMRT治療と比較して、腫瘍径ならびに占拠部位に依存せず、ターゲットへの線量均一性が優れ、肝臓の線量低減が可能であった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
症例数の集積に時間がかかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
昨年度の研究進捗状況は上記の様にやや遅れていると判断している。しかしながら研究の遂行過程は当初の計画通りであり、計画の変更は予定していない。今後も、研究分担者と密に連絡を取り、それらが滞り無く進むことで計画の遅れを取り戻す予定である。 2020年度は、陽子線治療の治療計画の安全性の評価として、線量パラメータから正常組織障害発生確率や二次発がんリスクのパラメータであるorgan equivalent dose(OED)を算出し、陽子線治療の安全性(正常組織障害および二次発がん)の有用性を定量的に求める予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
使用額に差が生じた理由は、小生の手違いで事務物品購入の計算を間違えたため。 4円と少額であり、2020年度の使用計画に大きな変更はない。
|