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2019 年度 実施状況報告書

放射線効果修飾薬のマウスモデルによる スクリーニングシステム構築

研究課題

研究課題/領域番号 19K08130
研究機関順天堂大学

研究代表者

笹井 啓資  順天堂大学, 医学部, 教授 (20225858)

研究分担者 川本 晃史  順天堂大学, 医学部, 助教 (60862167)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードエダラボン / 放射線防護 / 小腸陰窩
研究実績の概要

本年度はマウスの正常組織(小腸)の放射線障害の評価方法を確立する目的で、エダラボン(3-methyl-1-phenyl-2-pyrazolin-5-one)による放射線防護効果を求めた。生後8週間のICRマウス雌(25-30 g)を使用し、照射30分前に0(生理食塩水),5,15,30,100 mg/kgを腹腔内投与した。マウスをケージ内で無麻酔、無固定で14Gyの160kV X線全身照射を行った。
エダラボン投与前と3.5日後の体重は、照射群ではエダラボン投与の有無に関わらず低下を認めた。一方、非照射群ではエダラボン投与の有無に関わらず体重に変化はなかった。観察期間内に排出された糞便の性状をスコア化して評価したところ、エダラボン投与により便の性状が保たれている傾向を認めた。
照射後3.5日にマウスを頸椎脱臼により安楽死させた後、小腸を摘出し組織学的変化を評価した。検体を固定後HE染色し、任意に10個の輪切り標本を抽出した。鏡検下に再生している生残腸陰窩数を測定し、その平均値を算出し、生残腸陰窩数とした。平均生残腸陰窩数は照射群でエダラボン投与なし、エダラボン濃度 15,30,100 mg/kgでそれぞれ4、41、35、71、66個であった。また、非照射群でエダラボン投与なし、エダラボン濃度 15,30,100 mg/kgでそれぞれ158、151、153、158、157個であった。エダラボン投与により有意に小腸の放射線障害が抑制されることが明らかになった。
マウス可殖腫瘍に対する効果判定法に関しては、新規にC3H/Heマウス可殖SCCVII腫瘍の供与を受け、in vitroでのコロニー形成条件の測定を行った。しかし、in vivoでの照射実験に到らず次年度の課題として残った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

正常組織への効果判定法は順調に進んだが、腫瘍に対する効果判定法の開発が遅れている。液体窒素内で保存してきた数種類のマウス可殖細胞のコロニー形成試験について、条件設定に手間取り、マウスへの移植実験、in-vivo in-vitro assayに到らなかった。

今後の研究の推進方策

新規にC3H/Heマウス可殖SCCVII腫瘍の分与を受け、現在、条件設定をほぼ終了した。次年度ではこの腫瘍に対するエダラボンの効果をin vivo中心に行いたい。

次年度使用額が生じた理由

予定していたマウス可殖腫瘍を用いたin vivo実験ができなかったため、それに伴う動物、薬剤、プラスチック器具の使用が少なかった。
既に実験条件を設定できたので、次年度ではマウスを用いたin vivo実験を中心に行う。

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公開日: 2021-01-27  

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