研究課題/領域番号 |
19K08131
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
高原 太郎 東海大学, 工学部, 教授 (50308467)
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研究分担者 |
吉岡 直紀 国際医療福祉大学, 大学病院, 教授 (10292913)
風間 俊基 東海大学, 医学部, 准教授 (70375781)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 乳癌 / MRI診断 / 深層学習 |
研究実績の概要 |
癌は女性の癌罹患率トップで、勤労世帯(若年)に発生するため社会損失が大きい。ドゥイブス マンモグラフィ(DWIBS Mammography: DWIBS-MMG)は、これまでの研究で、(1) X-MMGより高い検出能・(2)完全無被曝・(3)無痛という特長が分かっている。しかし同法の施行には、マンパワー(画像診断医)の限界が存在し普及が難しい。 このためAI(深層学習)を用いて自動診断できるようにすることで、問題を解決する。
2019年は、モデルの構築を試行した。開発が予定よりもかなり遅れたが、12月にモデルができたため、b=1500 s/mm^2の拡散強調画像における有意高信号濃霧と、T2強調画像における嚢胞の有無についての自動診断能を調べた。画像処理能力が高いとされているXpectionを用いた。嚢胞検出は癌の検出には直接しないが、拡散強調画像の有意高信号には、濃縮嚢胞が含まれる(contamination)を起こすため、有意高信号から嚢胞部分を差分する必要があるためである。前者のAUCは0.87、後者のAUCは0.94で、いま少しの能力の向上が必要と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年末にシェイクダウンテストを行い、(1) 拡散強調画像での異常信号検出 (2) 脂肪抑制T2強調画像における嚢胞の検出において、前述した結果を得た。この結果を元に改良を加える計画であったが、新型コロナウィルスの蔓延に伴う影響で、自由な移動とディスカッションに制限が生じ、研究が遅れている。6月から好転する見込みがでてきたので、今後さらに研究を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、入力症例数を増やし、また嚢胞のなかで濃縮嚢胞であることの判定を改善するため、従来使用していた拡散強調画像と脂肪抑制T2強調画像のみならず、脂肪抑制T1強調画像も加えて検討を行い、年内に性能評価を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年は、モデル作成が遅れたために、学会発表などによる出張費、およびコンピュータ・ソフト購入費で実行しないものが発生した。本年は後半に発表できる可能性があり、そのために使用する予定である。
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