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2019 年度 実施状況報告書

X線の抗腫瘍効果に占める腫瘍血管損傷の寄与の硼素中性子捕獲反応を用いた定量的解析

研究課題

研究課題/領域番号 19K08134
研究機関大阪医科大学

研究代表者

小野 公二  大阪医科大学, 医学部, 特別職務担当教員(教授) (90122407)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードBNCT / ホウ素中性子捕獲反応線量 / 腸管上皮細胞 / 血管内皮細胞
研究実績の概要

血管内皮細胞のホウ素中性子捕捉反応線量に対する感受性を調べることが出来れば放射線(X線)の抗腫瘍効果に寄与する血管損傷の解明と云う本研究課題にとっては大変有益だが、その探索は直ちには困難である。そこで、代表的な再生上皮系である小腸の粘膜上皮のホウ素中性子捕捉反応線量に対する感受性をBPA+中性子ビームと中性子ビーム単独の効果とを比較することによって調べた。評価法は再生腺窩数から生残細胞数を求めるマイクロ・コロニーアッセイである。何れの処置においても生残細胞数は中性子フルエンスに対し指数関数で減少した。これよりD0は約0.6Gyとなった。腺窩部の幹細胞と考えられる細胞の核・細胞質比からOnoの式でもって推定したところ、D0は0.5~0.7Gyとなり妥当な推定値と見なされた。Onoの式は腫瘍細胞のみならず、正常細胞にも応用可能と考えられたので、血管内皮細胞の核・細胞質比を調べると、0.216となり、この値からホウ素中性子線量に対するD0は先のOnoの式によって1.524Gyと推定された。今後の抗腫瘍効果における血管内皮細胞の損傷の寄与の研究に重要な情報と考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「概ね」としたのは、原子炉中性子を研究に使う必要があり、コロナ肺炎の影響で、冬の中性子照射実験が出来なかったための若干の遅れの故である。X線照射の方は基本的に影響は出ないので、次年度に取り返せると考えている。

今後の研究の推進方策

京都大学原子炉の運転再開に合わせて、複数種の腫瘍にBNCTを施行し、殺細胞効果をコロニー・アッセイと腫瘍の増殖遅延時間で解析する。亦、並行してX線による実験も行い、等しい細胞生存率でのBNCT群とX線照射群の増殖遅延の差を調べ、腫瘍の血管損傷が抗腫瘍効果に及ぼす影響を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

コロナ肺炎の影響で原子炉実験の1月~2月期が実施できず、動物の購入費が残った。
2020年度に研究を実施、資金を使う計画である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Reevaluation of CBE value of BPA for hepatocytes2020

    • 著者名/発表者名
      Ono Koji、Tanaka Hiroki、Suzuki Minoru
    • 雑誌名

      Applied Radiation and Isotopes

      巻: 161 ページ: 109159~109159

    • DOI

      10.1016/j.apradiso.2020.109159

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Boron neutron capture therapy for head and neck cancer: Relevance of nuclear-cytoplasmic volume ratio and anti-tumor effect. -A preliminary report-2020

    • 著者名/発表者名
      Teruhito Aihara, Junichi Hiratsuka, Nobuhiko Kamitani, Hirotake Nishimura, Koji Ono
    • 雑誌名

      Applied Radiation and Isotopes

      巻: 163 ページ: -

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/j.apradiso.2020.109212

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Single-dose toxicity study by intra-arterial injection of 10BSH entrapped water-in-oil-in-water emulsion for boron neutron capture therapy to hepatocellular carcinoma2020

    • 著者名/発表者名
      H. Yanagie, M. Yanagawa, T. Higuchi, N. Dewi, Y. Nonaka, A. Shinohara, T. Matsukawa, K. Yokoyama, M. Suzuki, S. Masunaga, Y. Sakurai, H. Tanaka, K. Ono, H. Yamauchi, M. Ono, J. Nakajima, S. Higashi, H. Takahashi
    • 雑誌名

      Applied Radiation and Isotopes

      巻: 163 ページ: -

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/j.apradiso.2020.109202

    • 査読あり

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公開日: 2021-01-27  

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